どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

節分は落花生をまく日

突然ですが、節分には何の豆をまきますか?

 

北海道では「落花生」、つまりピーナッツをまきます。

大豆はまきません!

 

北海道の他に、東北の一部でも落花生を使うみたいですね。

 

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撮影機材:

Kenko 接写リング ミラーレスカメラ用接写リングセット デジタルオート接写リングセット マイクロフォーサーズ用 809433

 

なぜ北海道の節分に大豆が使われないのか?

大豆をまくと雪に埋もれて行方不明になっちゃうからだ!とか、落花生は殻がついてるから床に落ちても汚くならないからだ!など色んな説があります。

東北でも落花生が使用されることを考えると前者は合理的な気がしますね。

床に落ちても説も信ぴょう性が高い気がしますが、真偽のほどは不明です。

 

 

いつから北海道で落花生が使われ始めたのか? 答えは謎だらけ。

北海道では昭和20年代後半から一般家庭で落花生を使った豆まきが行われていたようです。

昭和40年代になると全道的に普及し、今に至ります。

国内の落花生の生産量が上がってきたのがだいたいこの時期なんで、大豆から落花生に変わったのかもしれませんが、なぜ落花生である必要がるのか・・は不明です。

国内では北海道と新潟県で早くから落花生を使った豆まきが行われており、それが東北地方に波及したそうです。

しかし南九州でも同様に落花生豆まき文化が普及しており、なぜ遠い地の九州に落花生豆まき文化が普及したのか・・・も謎であります。九州は雪が降らないので、雪に埋もれないから落花生を使うという説は整合性がとれませんね。

 

勘のいい方はわかったと思いますが、北海道の落花生を使った豆まきがいつ、どこから、なぜ始まったのか?は、ネットで検索しても答えは出ません。

昭和20年代からというのも学芸員の方が聞き取り調査をして出た結果のようです。

この答えを出すには、いま御存命中のかた(昭和10~20年代)への聞き取り調査か、落花生を使う理由が描かれた故人の日記でも出てこないかぎりわからないまま終わってしまうでしょう。

というわけで民俗学や北海道史に興味のある若者たち、ぜひ調査してください。

 

 

北海道のスーパーはこんな感じです

こんな感じで、1月になるとスーパーにも落花生が並び始めます。

オマケで鬼のお面もついてます。

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大豆も一応、すみっこに申し訳なさそうに並んでるんだけど、あまり買う人はいません。

 

ちなみに年の数だけ豆を食べるときは、1つの殻で1カウントです。豆は2個入ってるけど。

年をとってピーナッツがあまり食べられなくなると、さやに2つ入ってるから1個で2カウントでいいや・・・とかになります。

 

 

さて、国内の落花生の生産量は1960年代を境に減少の一途をたどっています。

これは中国産などの落花生が安く国内に輸入されるので、国内で落花生をつくっても農家のお金にならない、儲からないからです。

ただし輸入落花生にはたびたびカビ毒が混入したりと安全性は高くありません

子どもの頃は、年に1回、節分にしか買わないから・・と、奮発して中国産の2倍以上の値段の千葉県産の国産落花生を使っていたのを覚えています。

カビ毒のこともそうですが、何しろ千葉県産の方が絶対に美味しいので、今年の豆まきはぜひ千葉県産の落花生て鬼退治してみてくだされ。

 

 落花生は南方系の作物なので、寒い北海道ではほぼ栽培されていません。

しかし、空知地方や旭川では栽培している農家の方もいるそうで、いつか食べてみたいものです。

北海道は寒いのでカビ毒の心配も少ないそうで、今後北海道の落花生栽培が増える日もくるかもしれません。

 

大人になってからは豆まきをしなくなりましたが、節分の翌日に玄関先で落花生の殻が雪にうもれているのを見ると、なんだかしんみりした気持ちになります。

 

 

あ、節分ついでに恵方巻のことも書きますが、あれを食べる風習は北海道には全然ありません。

「2000年代にコンビニの力によって北海道に普及した」とでも書いておきましょう。後の世の人が混乱するといけませんからね。