北海道大学植物園と、博物館に行ってみたよ。
「北大の植物園」と呼ばれ親しまれているこのばしょ。
豊かな植物園の中にレトロな博物館がそびえる都会のオアシスです。
え?植物園のとこに博物館なんかあったけ?と思う方もいるかもしれません。
ちなみに「北大総合博物館」とは別物です。
北大の博物館は2か所あり、1か所は大学構内にある、アインシュタインドームが有名な「北大総合博物館」。
もう1か所はここ、植物園の中の博物館です。
かつては「北大の博物館」と言えば、植物園の中にある博物館を指していましたが、
1999年に「北大総合博物館」が誕生してからは、北大の博物館が2か所出来てしまったわけで、非常にわかりにくい。
今回行ったのは植物園の中にあるほうの、明治期に創立された歴史ある博物館です。
「元祖北大博物館」といってもいいかもしれません。
この博物館は、植物園の中にあるので、散歩しながら行ってみることにしました。
ちなみにこの植物園は、かのクラーク博士が「植物学の教育には植物園が必要だ!」
という鶴の一声で造られたそうです。
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植物園の中は有料。「みどりの日」だけ無料になります。
さっきまで街を歩いていたのに、森の中に来たような不思議な感覚です。
札幌で最古のライラックの木。ライラックは札幌市の市木。
1890年ころアメリカから持ち込まれて植えられました。
ここが博物館。
建物自体も重要文化財。
博物館ができたのは植物園より古くって、1877年のこと。
日本最古の現役博物館です。
玄関ポーチがおしゃれ。
展示ケースは天井と床に固定され、建物と一体になってるのが特徴。
正面に見えるのは博物館のシンボルともいえるヒグマのはく製。
でかい。1890年に牧場を襲い、手稲駅辺りで駆除された。
牧場を襲ったばかりに120年以上も保管されると思わなかったろうね・・。
はく製って、作る人によって表情に違いがでます。
このヒグマはちょっとおとぼけのような、チャーミングな感じ。
三毛別の資料館のヒグマのはく製は怖かったな・・
館内は、はく製・・もとい標本だらけ。
鳩、カラス、ふくろうなどの鳥類、
日本オオカミ、トド、アザラシ・・・
はく製達はものすごい年月を経過しているので、なんというか、ちょっとした威圧感を感じるのは自分だけでしょうか。
標本に見つめられながら歩いていると、ガラスケースから優し気なまなざしが・・
タロ!
「南極物語」で有名な、タロとジロのタロです。
タロは南極から生還してからは、老衰で亡くなるまで10年近くこの博物館で暮らしていたんだって。知らなかった。
南極で一緒にいたジロの標本は東京の博物館にあるよ。
ヒグマの骨格標本。指が5本あるんだな。
この博物館では開拓民3名死亡、2名が負傷した「札幌丘珠事件」を起こしたヒグマの「胃の内容物」も展示されていました。
かつてそれは明治天皇もご覧になったんだけど、今は毛皮と共に博物館の収蔵庫のどこかに眠っています。今は見ることができません。
かつては見世物的存在だった博物館も、その意義が変わってきたんだなあ。
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こちらはジョン・バチェラーさん家。中は入れません。
バチェラーは宣教師で、特にアイヌに熱心に布教しました。
アイヌ語で新約聖書を翻訳した人でもあります。
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アイヌといったらここに来なくちゃね。
北方民族資料室。
ここで見たかったのはイオマンテの映像資料。
イオマンテ(熊送り)は、子熊を大切に飼育し、大きくなったらお土産を持たせて神の国へ送るというアイヌの大切な儀式。
1955年に野蛮な行為として道から禁止された(2007年に撤回)。
他にはアイヌの生活道具やお祭りの道具が展示されてます。
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ここはただの藪に見えるけどじつはすごい「自然林」。
というのも、植物園ができた明治中期から、ほとんど手を加えず残した自然林だから。
札幌の街のど真ん中にこんな場所があったとは。
他にも行きたい場所があったんだけど道に迷ったよね。植物園広い・・。
途中誰とも会わなくてちょっと焦りました。
よく見ると外回りコース2時間の文字。なめてたなー。
園内にわんさかいるカラスにご注意を。
ビニール袋は持たない方がいいです。
目を合わさないように・・・
チラ見すると勝手に遊んでいた。
あとキツネも出るので注意です。触ったら病気がうつりますよ。
退場
一日じゃ周り切れなかった・・
420円でこんなに楽しめるとは。またいこー。