どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

がっかりするかな?時計台に行ってみた。

f:id:tamayoshi:20161005195236j:plain

北海道といったら時計台というイメージらしい。そう?どう?

ともかく時計台の前には観光客がたくさんいて、北海道の観光地であることには間違いない。そして有名。それから、がっかりスポットと呼ばれているらしい。

それは知ってる人も多いだろうけど。でもさ、時計台の中に入ったことある?どさんこカメラはありませんよ。

入ったこともないのに悪口も言えないので、ほんとにがっかりするのか行ってみたよ。

はじめての時計台。

 

 

ビルの中にこじんまりと建つ、かわいらしい白の建物。外見は結構古い感じ。どうやら木造。

f:id:tamayoshi:20161007202413j:plain

ところどころにある、星形のデザインがかわいいね。

 

 

おなじみの時計台の後ろ側はこんな感じ。

結構、奥行きがあるんだね。

f:id:tamayoshi:20161005195733j:plain

 

入場料は200円と良心的。

さっそく入ってみると、中は2階建ての造り。

 

1階には図書資料が棚にずらりと並べられています。

机、椅子も配置され、自由に読むことができるようになっていますが、誰が読むんだろう・・・というチョイスの蔵書が目立ちます。

しかしながら逆に言うと、外で記念撮影をする観光客の騒がしさとは裏腹に、さながら図書館のような静けさを持つ貴重な場所でもあります。

札幌観光に歩き疲れたら、ちょっと休憩するのもいいかもしれません。

そういえば時計台は、観光地化する何十年か前までは、図書館として市民に利用されていたそうです。

 

同じフロアには申し訳程度のお土産屋さんもあります。

 

その奥は北海道開拓の歴史の展示。

時計台の成立は北海道開拓史と切り離せないものなので、ちょっとお勉強するにはいいかもしれません。

f:id:tamayoshi:20161005195824j:plain

さて、この展示を、うすーく説明します。

明治4年。北海道開拓には人材育成が必要だから、農学校を建てた方がいいよ。と開拓使のケプロンさんが言い始めたため、「札幌農学校」という学校が開校しました。この学校はのちの北海道大学になります。

で、札幌農学校の演武場として、クラーク博士の構想のもと設立されたのが、この時計台。

クラーク博士は「少年よ大志を抱け」の、あの人ですね。

演武場っていうのは何かっていうと、イメージ的には体育館みたいなものだそうです。

つまり体育館に時計をつけちゃった感じです。

体育館とはいってもですね、体育の授業のほかに、兵法訓練なんかもやってたみたいです。というのもクラーク博士が学長をしていたアメリカの学校には兵学科っていうのがあったらしくて、札幌農学校はそこをお手本にしていたから。

 

「武器庫」をみつけました。兵法訓練のなごりでしょうか。

f:id:tamayoshi:20161005195421j:plain

2階は体育館、訓練場として使われ、1階は動物や鉱物の標本展示室だったそうです。

時計台は農学校の座学以外の場所って感じだったんでしょうね。時計がメインだったわけじゃなかったんだね。

ふーん、歴史を感じますねー、と展示を見てたんだけど、あれ?開拓時代からあるってことは、君何歳よ??

 

時計台は貴重な建物だった。

時計台が建てられたのは明治11年(1878年)。140年くらい前じゃん。

明治期に建てられた木造の建物っていうのは、火災なんかで焼けやすいからほとんど残っていない。そういう意味でも時計台は貴重で、実は国の重要指定文化財に指定されています。何度が軽微な改修はしているものの、ほとんど変わらない姿は貴重なんだね。

明治時代にたびたび札幌を襲った大火の際は、焼失した裁判所や郵便局のかわりとして使われたこともあったんだって。

f:id:tamayoshi:20161005195352j:plain

 

 

 

もっと貴重なのは時計機械。

時計台の2階に上がると、時計台の時計の仕組みがわかります。

2階はこんな感じ。

f:id:tamayoshi:20161005195527j:plain

レトロでかっこいいですね。

 

奥には時計台のしくみの解説があります。ふくざつ。

 f:id:tamayoshi:20161005195557j:plain

これが時計台の内部なんだ・・。秘密をのぞいているみたい。

f:id:tamayoshi:20161005195936j:plain

 

柱の右側と左側におもりが入っているそうです。時計台は、いまだにおもりの上下運動で動いている時計なんだよ。

f:id:tamayoshi:20161005195853j:plain

しかもこのおもり、時計が狂わないよう週に2回、人の手によって巻き上げる作業をしているそうです。

そこまでアナログなの!?と感動してしまいました。

 

これは時計台の内部に入っている時計と全く同じもの。いわゆる兄弟時計です。

f:id:tamayoshi:20161005195500j:plain

f:id:tamayoshi:20161005200241j:plain

ハワード社というとこの時計機械で、時計台の中の時計もこれと同じもので動いています。

ゼンマイいっぱい。かっこいい。

f:id:tamayoshi:20161005195635j:plain

この時計機械の保守が大変そうと思った方、

札幌市時計台HPのお話しが面白いので読んでみてね。

 

 

おまけ。 

時計台写真スポット。 

①時計台自体を撮りたい人。

信号を渡って、時計台の向かいのビル(今はTONYROMA’S)のテラスの上から撮る。

f:id:tamayoshi:20161005195312j:plain

 

 ②時計台と記念撮影したい人。

時計台の前に撮影台があるからそこに上ると上手に収まる。はずかしがらずに。

 f:id:tamayoshi:20161005200213j:plain

 

 

 

 

 

意外と面白かったです。 

f:id:tamayoshi:20161007215335j:plain

この日は見れなかったんだけど、毎朝9時15分から2階で機械の説明をしているそうです。

時計台の鐘は毎時丁度に、その時刻の数だけなるのでそのタイミングをねらって2階に行くのもいいかもしれません。

スタッフが時々解説をしていることがあるので、それを聞くとよりわかりやすいと思います。鐘の音の音階はなんでしょう。とかね。

鐘の音は半径2.5キロ先まで聞こえたんだって。140年も前と同じ音っていうのがすごいよね。

カーンカーンっていう爽やかな音なんだけど、あれ?聞いたことある?

と思ったらSTVラジオの時報になってたあの音だなあ。


七夕の朝9時を知らせる札幌時計台

こんな音です。

 

 

 

f:id:tamayoshi:20161005200053j:plain

時計台にがっかり、という人は北海道の観光名所といわれるところ、どこに行ってもがっかりするんじゃないかなぁ。

北海道には日本一高いタワーもないし、ミッキーもいない。

アドレナリンが噴き出るようなハイになれる観光地なんてない。

かといって飛鳥時代の古墳もなければ桃山時代の寺院もない。

100年そこそこの歴史に浪漫の創造を抱けるか、否か。悲しいかなそういうことです。

 

しかしながら、ぴかぴかした最先端のものなんてお金があればできるんだけど、わざわざ手間をかけないといけないものは、お金だけでは維持できないよね。

じゃ、ちっちゃい時計台とゼンマイだらけの機械を守るのは一体何でしょう。

 

 

あ、10月16日は、138年前、時計台の落成式が行われた日です。