慣れ親しんでいたものが、実は全国区じゃないってやつです。
「ヤン坊マー坊天気予報」しかり、「餃子のみよしの」しかり。
この「めんみ」もそうらしい。
めんみとは北海道のどこの家庭にもある(かな?)調味料である。
煮物、麺のつゆ、醤油のかわりに・・何にでも使える万能調味料。
味は、ふつうの「めんつゆ」より甘辛い。市販のめんつゆはストレートタイプ、濃縮でも2倍が多いけど、めんみは濃縮5倍なのでかなりしょっぱい。
内容的には、めんみにはかつお節、煮干、昆布、さば節、ほたてのダシに、しょうゆとみりんが入っているそうです。一般的な「めんつゆ」は、みりんが入っていないので、この辺が味の違いですかね。
成分を見てみると、
しょうゆ、果糖ぶどう糖液糖、食塩、節(そうだかつお、さば)、エキス(かつお節、かつお、にぼし、昆布、ほたて)、みりん、、アルコール・・などが入っています。
ダシ多め、甘め、というのが伝わりますかね。
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「北海道の味」とか言ってるけど、昔は全国発売もしていたらしいです。
昭和30年代にめんみの元となる調味料が全国発売されたんだけど、なぜか北海道だけでやたら売れて(多分ほかの地域ではそんなに売れなかった)、やがて北海道限定になってしまったのであります。
なるべくして北海道限定になったのです。
めんみを発売してる会社はおなじみ「キッコーマン」。
めんみをはじめ、キッコーマン商品が北海道内でたくさん売れるもんだから、ついに1980年代には「北海道キッコーマン」って会社が分化して、北海道に工場まで建てちゃいました。
この工場はいまでもばりばり稼働してて、北海道産の小麦や大豆をつかって製品を製造しています。本社のある千葉県から輸送費をかけて運ぶより、北海道で生産する方がコストがかからないからだそうで、それだけ北海道での消費が多いんでしょうね。
しかしながら、「めんみ」の味がなんで北海道だけでヒットしたのか?っていう理由の説明にはなっていないわけで、ここらへんを調べると民俗学的な領域にまで発展しそうですね・・。
北海道限定の商品にもかかわらず、キッコーマンで北海道の味「めんみ」でつくるレシピコンテストなるものを開催していました。
せっかくなので、第2回のグランプリレシピ「味付けはめんみだけ焼豚」を作ってみました。
めんみと豚かたまり肉をジップロックに入れて一晩、あとはオーブンで焼くだけという超簡単レシピ。こういう放置系はだいすきです。
焼いてるとこ
これは酒のつまみにいいです。味はチャーシューぽい。
詳しい作り方はキッコーマンのHPにのってます
北海道限定とはいえネットで買える時代になったんですけどね。
ってことは、逆にめんみ以外の調味料も手に入りやすくなったわけで、一昔前と違ってスーパーに並んでいない調味料も簡単に手に入る。だから北海道民だからといって必ずめんみを持ってるわけじゃないと思うんだよな、今は。
子どもの頃、母は忙しい人で夜も遅く、料理を作る余裕なんてのは皆無でした。
それでもインスタント物が晩御飯にでることはほぼなくて、帰ってくるとだいたい冷蔵庫の中のてけとーな物をてけとーに炒め、めんみで味付けされた「速攻炒め物」がおかずでした。
めんみは時間の無い時にもそれなりの味付けになったのだろうと思います。
おかげで野菜とタンパク質に恵まれ、立派に?成長。
味覚に関する記憶というのは鮮明であります。
僕にとっては懐かしい味。
これからも北海道の味として残ってほしい調味料です。