僕は甘いものが好きだけど、残念ながら地方に行けば行くほど甘いものの店は少なくなる。
今日は仕事で滝川市ってとこに来ているんだけど、誰かが滝川においしいケーキがあると言っていたのを思い出してここに寄った。
野上菓子舗
菓子舗、という古めかしい名前なのにずいぶんかわいらしいお店。
黄色い花はこの町の観光資源である菜の花かもしれない。滝川市は時期になると菜の花畑が広がって美しいのだけど、冬はそれもない。
話に聞いたおいしいケーキは「はしっこ弁当」というものらしい
お客さんはもみんなこのはしっこ弁当を買い求めにきて大変な人気だ。危うく売りきれそうになっていたのを買ってきたよ。
結構大きいけど600円くらい。カステラの切れ端がもったいないということで、それを敷き詰めて生クリームやイチゴをトッピングしたもの。
だいたい人がおいしいというのはおいしくない・・あまり期待しないで食べたらおいしかった。
はしっこ弁当はお店のホームページにも商品としては掲載されていなくて、売り切れ御免の数量限定販売らしい。
こちらは普通のケーキ。
誤解を恐れず言えば、はしっこ弁当の方がおいしかった。
お店では1粒から購入できるチョコレートも販売していて、パティスリー感があふれている。
焼き菓子類は総じておいしかった。
隣町の酒蔵、金滴酒造の酒を使った地酒ケーキ。
市内産の小麦粉で作ったはちみつりんぐ。
和菓子は食べていないけどラインナップが豊富だった。
僕はたくさん引っ越しをしているけれど、田舎に住んでいて困ったことは、手土産の一つも買えないことだ。過疎化が進むと町唯一のお菓子屋さんが高齢化やら後継ぎがいなくなったとかで閉店してしまい、町の名物だったお菓子が消滅するという事になる。
地域のお菓子屋さんは大事。さらにおいしければなお素晴らしい。
この店を教えてくれた人に、おいしかったよ、でも「はしっこ弁当」っていうネーミングはなんか垢抜けないし、弁当だか甘いものだかわからないよね。といったら、
「はしっこ弁当」なるものは甘いもの好きの中では常識のメニューであって、蕎麦屋でいうところの蕎麦掻、酒蔵でいうところの甘酒のような物で副次的に生産されるケーキの通称である。だから「はしっこ弁当」という名前のケーキは生地の切れ端を集めて作ったお得なケーキの通称であって、滝川市どころか東京にも千葉にも、全国各地のケーキ屋さんが売っているものなのだよ。
と教えてくれた。
そういうことで、甘党の中では常識らしいですよ、はしっこ弁当。