すすきのにあるこのパフェのお店を知ってる?
怪しげな外観。
店名は「ぴーぷる・ぴーぷ」というのですが、なぜか看板にはパイとケーキと書いてあります。
とってもおいしいパフェが食べられるお店として有名なのですが、
どさんこカメラはまだ食べたことがありません。
正確には、2回も入店しているにも関わらず1度もパフェにありつけていなのです。
品切れしていたからではありません。待ち時間がなまら長いからです。
以前行ったときは同行者がしびれを切らして帰ったため、なくなくパフェをあきらめたのでした。
深夜24時まで開店しており、酒の後の〆パフェとしても人気。
前回は酩酊状態で気にしなかったのですが、マスターの接客がとても個性的。
返事次第ではパフェが食べられないのです。
こんどこそ・・いざ入店。
◇返事を間違えるな。
このお店はマスターが一人でやっているのですが、
入店するとマスターに必ずこう聞かれます。
「初めて?待つよ?大丈夫?」
普段では体験しない高圧的な接客にひるんではなりません。
ここでの答えは一つ「大丈夫です!待てます!」
「えー・・」とか「どのくらいかかるんですかー」なんて曖昧な返事をしてはなりません。そんな返事をしたとたんに「時間気になるならやめたほうがいいよ。うちにはむいてない」・・!
このやり取りは結構有名なはずなのですが、追い返されるお客さんがたくさんいました。
このお店でパフェが食べたいのなら、どんなにマスターからしつこく「待てるの?」と聞かれても、返事はYESしかありえない。返事を間違えてはいけません。
店内には手書きの張り紙がたくさん。
「マスクの人、風邪の人は入店お断り」
「くしゃみ・席をする人はティッシュを口にあててください」
「テーブルの上のもの以外撮影禁止」
「トランス脂肪酸を含んだマーガリン、ショートニングは使用していません」
注意書きや宣伝文句やメッセージ?それから注文方法やその理由。などなど。
もうお気づきでしょうが、ここはマスターの城なのです
我々はマスターの城におもむき、パフェを食べさせていただいているのです。だから間違っても城内の規則に反してはいけないんですよ
メニューは細かい字がみっちり。
「わからないことがあればマスターに聞いてくださいね」と書いてあります。
パフェの種類はたくさんありますが、品切れ、売り切れも多いのです。
仁木町のリンゴを使用したアップルパフェ、9月だけマスター自ら摘んできたブルーベリーを使っているブルーベリーパフェ、平日の暇な時にしか作らないクリームチーズパフェ・・・
「それ今作ってないんだよねー」という声をおそれつつ、6月まで限定のイチゴパフェを頼みます。無事注文完了。
待ち時間に突入。
待ち時間の間に、店内の臭いにはもう鼻がマヒしました。
このお店、ちょっと匂いがしますよ。排水が悪いのかもしれないみたいな。なんでしょう。
それでもお客さんがわんさかやってきます。
お客さんがやってきては返事の仕方を間違えて追い返されていきます。
「そういう人はうち向いてないから!」「やめたほうがいいよ!」
それでもお客さんがわんさかやってきます。
いつパフェは来るんだろう・・。30分・・40分・・出てこない。
2時間後・・・
パフェができました。
でっか!!
普通パフェはアイスの間にフレークやスポンジが入ってたりしますが、そういった飾り気は一切なし。なんというか・・野武士のようなパフェです。
アイスと生クリームだけで俺は戦うんだ!という野太い声が聞こえてきそうですね。
2人で一つがちょうどいいかもしれません。
これだけ生クリームがふんだんに使われているのに、全然くどくない。不思議。
カードをもらいました。すごい手作り感。
店名の語源がすごいな。
◇中毒性があるのはパフェか、それとも・・
店内のお客さんはカップル、女子同士が大半ですが、一人で来てるおじさんお姉さんも結構いました。深夜にもかかわらずものすごい混みっぷり。
中には常連さんもいるらしく、今日はパフェ来るの早かったねー。なんて声もちらほら・・・・あれ、マスターの様子がちょっと違う。
常連さんとなんだか楽し気にお話してる・・。さっきまでのぶっきらぼうなマスターはどこへ?
確かにパフェは美味しかったけど、この接客と店内の臭いにもかかわらず混雑する秘密は、もしや。マスター・・。
この刺激的なマスターの接客から、常連として顔を覚えられるまでの過程。これがお客さんの目的では・・?ツンデレ感と縛られた環境がもしかして心地よいのでは・・。
縛られた環境というのは一見不自由ですが、ルールさえ守っていれば何の問題もないのです。
しかもそのルールは、「俺はこういうことされるの嫌だからね」というのをわざわざ文字にしてお知らせしてくれています。とても親切だよね。逆に。
しかもマスターは一人で店をきりもりしているにもかかわらず、来る人来る人「待つよ?いいの?」とわざわざ聞いてくれてるんです。
待ち時間が長いがゆえに、お客さんの予定が狂わないように配慮しているわけですね。
うちは待つよ!とあらかじめ教えてくれるマスターの気遣いです。
咳をするときはティッシュをあてろとか、テーブルの上の火が付くんじゃないかと思うくらいの濃度のアルコール消毒液とかも、ちょっとねじ曲がっていますがお客さんを思っての配慮なのです。
ここにはマスターの世界なりの「理由」「ルール」がある。理由もなく突然怒り出したりする人のほうがよっぽど怖いよね。
何かに書いてあったけど、注文してから2分で来る蕎麦チェーン店では、麺工場で既にゆであげられた蕎麦を使ってるんだって。ゆであがって時間が経っちゃった麺を店内で湯通しして温めてるだけ(ゆで上げているように見える)。
こういうコンビニエンスな食べ物があふれる中、リーズナブルな値段で2時間かけてパフェを作ってくれてるなんて贅沢ですよ。
今回待ち時間は2時間でしたが、早ければ30分くらいのこともあるようです。
裏がありそうな満面の笑みの接客に辟易した方は一度どうぞ。
決して好印象は持てないかもしれませんが、ぴーぷる・ぴーぷというゲーム。みたいな感覚で楽しんでいただくといいと思います。
マスターと仲良くなるのがこの店の醍醐味のように感じました。
タバコを吸わない人にくれる「クリーンカード」
肺の心配までしてくれるなんて・・ほんとはやさしんだね。