札幌市民の足、札幌市電。ループ化したことだし、市電にのってぐるっと一周お散歩してみたよ。
◆札幌市電の路線図とか降り方とか料金のこと。
市電に乗ってどこまでいけるかっていうとこんな感じ。
右上にあるのが札幌駅。その下にぐるりとあるのが市電の停留所。
結構どこでも行けるでしょ?
市電は「内回り」と「外回り」があるんだよね。ちょっとわかりにくいんだけど。
青い矢印が外回り。赤いのが内回り。進行方向が違うだけだね。
料金は一律170円。降りるときに払うよ。
整理券はありません。
◆休日に乗るなら一日乗車券「どさんこパス」がおすすめ
土曜日・日曜日・祝日だけ使える一日乗車券だよ。310円。
乗り降りするならこっちのほうがお得だよね。
市電の中か、大通駅にある定期券発売所の中でも買えるよ。
◆降りるときは「チン!」
降りる停留所が来たら降車ボタンを押すよ。もうこの音は珍しいかも。
じゃ、西4丁目駅からしゅぱーつ。
内回りだから終着駅は狸小路だね。
◆西4丁目駅
ぷらぷらしてたらちっちゃいお店を見つけた。
「バリスタートコーヒー」
おもにテイクアウトのコーヒー屋さん。
ちっちゃなお店はマシンと店員さんで既にスペースはいっぱい。
席もあるんだけど、4人くらいなら座れそう。
ちゃんとエスプレッソもある。
アラビカブレンドは徳光珈琲オリジナルブレンド。
このロブスタブレンドは渋谷のコーヒースタンド、ザ・コーヒーハンガーのブレンド。
目が覚めました。
コーヒースタンドだから当たり前だけど、店内でゆっくりとはいきません。
アジア観光客にも知れ渡っているのか、そして若い人に人気らしく、ごったがえしてきた。
エスプレッソをひっかけたら、テイクアウトして退散しよう。
テイクアウトはアイスラテ。自慢のジャージー牛乳を使ってるだけあって、すごいミルク感。
停留所に向かいます。
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◆西8丁目駅
市電に乗ってるのは男女問わずお年寄りから若い人、外国人。いろいろ。
ほんとに市民の足なんだね。
目的もなく乗ったのでとりあえず降りてみる。
あるいていたら狛犬が見えたので、神社に入ってみた。
ここは「三吉神社」っていうんだって。
みよしって読むんだけど、「さんきちさん」と呼ばれて親しまれているらしいよ。
右の立派な木は、札幌市の保存樹に指定されているよ。
札幌には「保存樹木制度」という制度があって、
・由緒由来のあるもの
・学術的価値の高いもの
などは保存樹として登録されるんだ。ちなみにこの木はコブシ。神社の社宝。
ビルに取り囲まれている三吉神社・・・。
神社がこの場所に建てられたのは明治12年だから、130年以上の間に周りの風景もだいぶ変わったんだろうね。
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◆西15丁目駅
ここから歩いてすぐなのが、「スペースイチイチゴ」
以前の記事でも紹介していますが、マンション全部がお菓子屋さんや雑貨屋さんになった変わったお店。
コインパーキングもあるんだけど、市電なら徒歩でも行けるよ。5分もかからないくらい近い。
ちなみにここで降りて連れ立ってる人のほとんどの行き先はここかも。
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◆西線6条~西線9条旭山公園通停留場~西線11条~西線14条~西線16条
この区間しばらく「西線〇条」という停留所が続きます。
何でこんなに「西線」ってのが多いかっていうと、この一帯は『山鼻西線(やまはなにしせん)』と呼ばれる沿線だから。
山鼻西線は市電操業開始から生き残った数少ない路線の一つで、1931年に単線として誕生したんだよ。
かつて日本一長い駅名だった「西線9条旭山公園通」は、むかし「旭山公園通」という駅名になってしまったんだけど、周辺住民が反対したので「西線9条」をいれた現在のながーい駅名になったんだって。このあたりの人の西線愛はすごいんだよ。
西線9条旭山公園通りのあるお菓子屋さん「シャモニー」
「西線ロール」というケーキまでつくっちゃった。残念ながら日曜日はお休み。
※追記※90年以上にわたり札幌市民に愛され続けた「シャモニー」は、残念ながら2019年3月30日をもって閉店しました。長い間ありがとうございました。
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◆中央図書館前
みんなの図書館。札幌中央図書館です。
館内にカフェがあるのが特徴。
「元気カフェ」といって障がいのある人たちの働く場所にもなっています。
図書館には「札幌市埋蔵文化センター」が併設されていて、入場は無料。
ただ、無料だけあって小さな展示室という感じだからあまり期待しないほうがいいかも。
図書館で開かれていたイベント「札幌軟石」についての展示。
こういうニッチなものをまじめに見られる場所なのが、図書館のいいとこだよね。
「札幌軟石」というのはかつて札幌で採られていた石材の名称。
明治から掘られ始めて、建築用資材としてとっても人気だったんだ。
そもそも市電自体が、掘り出された札幌軟石を運び出すために作られた。
採石場から札幌市街へ、おもに軟石を運び出すため引いた馬車道が、札幌市電の前身なんだ。
明治37年に札幌石材馬車鉄道合資会社ができて、冬は馬そりで石を運んだりしていた。大正時代に電気が引かれて馬から電車に代わったんだ。
その石切り場は現在こんな感じになってるから↓興味のある人は見てみてね。
この展示は、札幌に現存する札幌軟石の建物を10年かけて洗い出そうという「札幌軟石発掘大作戦」の記念調査だったらしい。
彼らの名前は知っていたけど、まさかこんなところで出会うとはね・・。
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ちょっと疲れたのでしばらく乗りっぱなし。
電車の数々。
おなじみ210形。この車両は1958年生まれだけど現役。
丸くてかわいい。
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こちらはポラリスことA1200形。
2013年生まれ。
ピカピカ。
でも車内は地下鉄みたいでつまんない。
ポラリス君は超低床電車。
上は停留所で下はポラリスの床。ほとんど同じ高さでしょ。
このお散歩で何回か乗り降りしたんだけど、ポラリスには1回しか乗れなかった。
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◆中島公園通
駅名の通り、市民の憩いの場中島公園がすぐそこ。
地下鉄の中島公園駅とは逆側から公園に入れるみたい。kitaraのある方ね。
お菓子屋さんボン・ヴィヴァンもあるよ。
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◆資生館小学校前
文字通りこの小学校の前。グラウンドには梁田貞の銅像が立ってる。
梁田さんは「どんぐりころころ」を作曲した人。
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◆すすきの
ここまで来ると街に戻ってきたなぁ、ってな感じになって冒険気分もおしまい。
こうみると街中の道路に路面が走ってるなんて奇妙だよね。
この「すすきの」と、最初に乗った「西4丁目」まで路線をつなげたのがループ化工事だよ。
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◆狸小路
ループ化にともなって、「すすきの」・「西4丁目」間を繋ぐ駅としてできたのがここ。
実は昭和初期にも狸小路停留所はちょっとの間存在していたから(廃止された)、復活といった方がいいかもしれない。
この近くに「鴨蕎麦が旨いから食べよ」と誰かから言われたお店があるんだった。
行ってみよ。
「酒と蕎麦 まるき」
明治二十二年創業という、北海道では珍しい老舗。
どれもおいしそう。
夏限定冷やし鴨
蕎麦は細目でさらさら。鴨にくは全く臭みがなくて、コクがあってうまい。
正直鴨そば苦手だったんだけど勇気を出してよかった。
ごちそうさま
酒とそばの店名通りお酒も豊富。
おっきな卵焼きもおすすめです。
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路線の廃止やら復活やら赤字やらループ化やら。100年近くやってればいろいろあるよね。
またのってみよう。のらないとなくなっちゃうからね。
いま
むかし
(「北一条さっぽろ歴史写真館」展示より)
おしまい。