どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

おせちは大みそかに食べるし、上の句は知らん。

今年のネタも尽きましたので、今日は北海道の年末にまつわる小話を書いときます。

調べるといろいろ出てくるもんだね。

 

おせちは大みそかに食べる。

もはや北海道の鉄板ネタですが、

北海道では12月31日、大晦日からおせち料理を食べだします。

本州の人から見たらフライングおせちです。

 

どさんこカメラも子供のころからずっとそうでした。

だいたい、大晦日の夕方頃からおせちを準備しだし、家族が集まったころにはおせちを食べだす感じ。

 

おせちの内容は、日本全国これだけ画一化されているので、北海道だからといってそんなに違いはありません。数の子、黒豆、なます・・。

 

北海道のおせちには「氷頭なます」(鮭の頭のスライス)が入っている。とよく書かれていますが、残念ながら見たことがありません。

ニシン漁が盛んだった名残りなのか、「昆布巻」に巻かれている魚は、鮭よりニシンが定番です。

 

ウィキぺ情報ですが、おせち料理は大晦日から元旦にかけて食べるのが正しいらしいです。

つまり、正しい風習が残っているのですよ北海道。誰だ大晦日に食べるのは 道産子がせっかちだからって言ってるの。

 

 

 

お正月に食べるのは・・

大晦日におせちを食べてしまう我々は、お正月にはその残りを食べます。

と書くとわびしい感じですが、だいたい親戚が来たり、親戚のとこに行ったり、その先ではオードブルなり寿司なり、何かしらのごちそうが用意されていてそれを食べることになります。

それから「旨煮(うまに)」も食べます。

これはちょっと迷ったんだけど。「旨煮」を作る家庭と「煮しめ」を作る家庭があります。旨煮は甘めでとろみがある煮もの、にしめはあっさりした煮ものです。

おそらく先祖の出身地でどちらを作るか分かれているよう。

 

さて、この旨煮に入っている具材で特徴的なのは

この「つと巻」と呼ばれる、カマボコです。

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切ったところ。「つ」

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「つ」が巻きそうで巻かない。巻いてしまえばナルト巻になるんだけどね。

なぜこの中途半端なデザインを入れるのかはわかりません。

 

 

あと、他に変わった具材として「ゆり根」を入れます。

北海道産 ゆり根 2Lサイズ 1玉 百合根 ゆりね
 

 ゆり根は文字通りユリの球根(食用)です。産地の98%を北海道が占めています。

道外では高級食材ですが、産地の近くに住んでると商品にならなかった形の悪いものを格安で売ってもらえたりします。

 

甘くて、ジャガイモみたいな感じです。溶けると煮ものがどろどろになるから入れるな。という人もいます。

ちょうど冬が旬なので、シチューなどに入れてもおいしいです。

 

 

 

 

 

ナゾのお菓子「口取り」

これもどうやら主に北海道だけの風習のようです。

北海道では年末になると、なぜかこのようなピカピカ派手なお菓子がスーパーに並びます。 

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表面が寒天でコーティングされてピカピカ。

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エビ、タイなどなど縁起物のかたちをしたお菓子です。

これを「口取り菓子」といいます。

これをどうするかというと、年内に購入して神棚やら仏壇にお供えし、年が明けたら下ろして頂きます。

 

大きな声では言えませんが、この口取り菓子、決しておいしいとは・・。

中には餡子が入っていることもあり、ひたすら甘いです。生地はパンのような饅頭のような、口と胃袋が占領される素材でできています。

粉とあんを合わせた、いわゆる「練切り菓子」なのですが、繊細な和菓子というにはあまりに大きく、一度開封すると固くなってしまうというつわもの。

それでも子供のころはお正月の特別なお菓子のようで、喜んで食べたけどね。

 

切ったところ。

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年末になると製パン会社から発売され、スーパーに並ぶのです。

 

写真の口取り菓子は、出先で見つけた栗山町のお菓子屋さんのもの。しっとりとした、おいしい口取りです。

和菓子屋さんで出しているものは値段がちょっと高いけど、スーパーで売っているものよりおいしい。

 

 

なんで「口取り菓子」を飾るのか?についてはよくわかっていません。

そもそも口取りというのはおせち料理自体を指します。北海道では昔、鯛や生の果物などの食材が手に入らなかったので、おせちのお重に入れられなかった。しょうがないからお菓子で作ってみたんじゃないか。というのが定説のようです。

それでは神前に供える理由が説明できていない気がしますが・・。

 

 

 

百人一首は下の句だけ。

カルタに書いてあるのは、上の句と下の句で構成されている百人一首。

しかし、北海道ではカルタの上の句は読みません。というか読み札に上の句がそもそも書いてありません。

なので上の句があること自体知らない道民も多いはず。

北海道特有の「下の句カルタ」と呼ばれるもので、もともと会津藩の武家の遊び方と言われています。当の会津ではすたれてしまったようです。

 

もう一つの特徴は、札が紙ではなく木製であること。取るときに指が挟まると痛いし、ぶつかるとふすまに穴があきます。

木札はトランプより少し大きめくらいで、達筆な筆字で句が書いてあります。絵はありません。

 まさにこれ ↓

百人一首 板かるた(桐箱)

百人一首 板かるた(桐箱)

 

 

書いてある字が全然読めないので、字の形で子供のころは覚えていました。

一番人気は「をとめの姿しばしとどめむ」。乙女(をとめ)乙の字がわかりやすいから。

もちろんその上の句、「あまつかぜ 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ」は書いてもいないし読まれもしないのです。

 

祖母のうちにはあったけれど、今の道民の家にはカルタってあるんでしょうかね。

 

 

 

 

 というわけでいろいろ書きましたが、北海道は広いので地域差はありますよ。

函館などの道南方面は、北海道でも早くから開拓が始まっていたので、慣習は本州に近いと言われています。

 

 

北海道に帰ってくる人、道内を横断する人、

怒ってもどうにもならない豪雪暴風は北海道では当たり前。

年末年始は お天気が良いといいね。

 

皆さん良いお正月を。