岩内町の「岩内神社例大祭」に行ってきた。御神輿が船に乗って、海を渡ってしまうというお祭りらしい。久しぶりにお祭りらしいお祭りを見られて、面白かった。
岩内町はこの辺。海の近く。
札幌から車で2時間ちょい。ちなみにJRは通っていない。
岩内神社例大祭
北海道のお祭りには珍しく、200年以上の古い歴史をもつお祭り。
岩内町の開拓が始まったのが1751年ということだから、遠からず間違いはなさそう。
祭りの場所はよくわからなかったけど、町の人たちが歩いていく方向へついていくと、港に出た。今日はお祭りという事で、どのお店もお休みらしい。
祭りは3日間に渡って開催される。この日は最終日。
・赤坂奴(あかさかやっこ)の行列
大名行列みたいな勇ましい集団を発見。ふぁさふぁさした白と黒の耳かき棒みたいのを持ってます。
黒い棒、白い棒を、隣の人に投げてキャッチ。
一歩踏み出すことに、シャーンと鈴が鳴る。そして立ち止まる。
海の祭りにしては、なんというか、大変品があって良かった。お上品。
どこぞの騒がしい祭りとはちがうな。
さすが200年の歴史・・と思ったら、結構ゆるいキャラも腰のあたりで参戦している。
・海上渡御
いよいよ船におみこしを乗せるんだけど、その前にわっしょいわっしょい、船の前でやります。
2基のみこしが突進して、ぶつかる寸前で止める。
波打つように担ぐ。
見ているだけで腰が痛くなる・・。
両手で持ちあげちゃう。
お客さんは拍手拍手。皆さんたくましい。
それにしても若い人が多いのに驚きました。昔はもっと盛大だったそうですが、充分活気があります。若者不足により多くの地方で祭りがしょぼくなっているというのに・・。
YOSAKOIは完全にイベント化してるけど、多くの祭りは濃度の差はあれ「神事」です。写真を撮る際はどこが神様の通り道かって事を考えました。邪魔にならないように。そう考えると、こういう御神輿の一連の動きにも意味があるような気がする。
高架橋の上から御神輿を撮影していたら無礼だと怒られた。なんて話もありますから、気を付けないといけませんね。
・天狗とおかめさん
天狗とおかめさんは、厄年のおじさんから毎年選ばれるそうです。
毛だらけの天狗はずっと団扇で扇がれていたので、かなり暑そう。
天狗とおかめさんと書きましたが、正しくは
猿田彦命(さるたひこのみこと)と、天宇受賣命(あめのうずめ)らしいです。
猿田彦は天孫降臨の際に、神様を地上へと道案内をした神様。道案内をしたという事で、道祖神としてお祀りされることもあります。
天宇受賣命は、天照大神が天岩戸に隠れてしまったとき、ちょっといやらしくて可笑しい踊りを踊った神様。気になった天照大神が、思わず岩戸をちょっと開けちゃいました。元祖コメディエンヌです。
この二人の神様は結婚して、夫婦なんだって。
なぜこの神様達がお祭りに出てくるのかはちょっとわからなかった。岩内町の開拓に最初に入ったのは近江の人間らしい。近江は今の滋賀県。三重県と遠くもないか。向こうには猿田彦神社があるけど、やっぱりそっちの風習なのかな。
御神輿が海を渡るというのも、なんでそうなったのか調べてみてもよくわからなかった。
船上では神主さんが、おみこしまだかなーってな感じで待ってます。
なんだか不思議な光景。
船に御神輿をつんで、出港。
ばいばーい。千と千尋みたいだな。
周りの漁船も大漁旗をあげて同行します。
おじさん「にいちゃん夜も来んだべ?」
僕「え?帰りますよ」
おじさん「神輿はまた戻ってくるんだよ。夜になって神社に戻すとこが一番迫力あるのになあー、もったいねえなあ。」
だそうです。毎年7月 7日、8日、9日に開催されるので、興味のある方は夜までどうぞ。