最終更新2018/12/25
みなさん日本酒はお好きでしょうか。
北海道にもいくつか酒蔵はあります。田中酒造、小林酒造、金滴酒造・・・
そのほとんどが明治、大正時代に作られた会社ですが、戦後初めて北海道にあたらしい酒蔵が誕生しました。
上川町の「上川大雪酒造」。2017年に本格始動です。
こちらが、そのお酒。
クラウドファンディングに支えられた酒蔵
ちょっとおもしろいのはクラウドファンディングサービス「Makuake」で資金調達したところでしょうか。時代ですね、おもしろい。
募集は既に終了し、目標金額 1,000,000円に対し13,835,500円という高実績。支援すると「試験醸造酒」仕込1号~6号いずれかと、盃がもらえるのです。
才能があっても資金不足というのはいつの時代もありましたが、正当に評価されれば活躍できる時代になりつつありますね。
腕利きの杜氏がいる酒蔵
上川大雪酒造の「杜氏(とうじ)」(お酒を作ったり味とかを決める偉い人)である、川端慎治さんは日本酒界隈では有名人。もともと「金滴酒造」というとこで働いていて、彼が手掛けたお酒は全国新酒鑑評会で金賞を受賞しています。
金滴酒造もこの杜氏さんが来たおかげでずいぶん味が変わった。で、北海道でもこの人の造ったお酒がいいよ、うまいよっていうファンがたくさんできたらしい。
ところが、大人の事情で金滴酒造内部ですったもんだがあったらしくて、川端さんは事実上解任され、まあちょっとあまりワイドショー的なことを書くのも無粋だからやめるけど、とにかく川端さんは金滴酒造を去ることになったのです。
その川端さんがこの「上川大雪酒造」に参加することに。もともと地元に根差した酒造りをしたかったらしいです。
そういうわけで、ファンの多い杜氏さんだから、お酒の方の期待もめっちゃ高まっています。
・味は・・・
僕自身日本酒に詳しくないので、「おいしくて飲みやすい」という陳腐な表現しかできません。
興味のある方はぜひご自分の舌で。大雪酒造の公式オンラインショップで購入できます。
上川大雪酒造 オンラインショップ(仕込みから納品まで時間がかかるのでお早めに。)
上川大雪酒蔵がある「上川町」ってのは北海道のこのへんです。
旭川の横あたり。大雪山の水が流れる、水質の良い地域なので日本酒作りには最適。
どさんこ酒米の進化
日本酒に大切なのは水と「米」です。
でも日本酒を作るための米は、普段食べる「ご飯用のお米」と違います。
日本酒用のお米は「酒米(酒造好適米)」といって、普通の米より粒が大きい。
なぜなら日本酒を作るときにお米の中心部以外を削るので、粒が大きいほうが良いのです。
あと、お米の中心にある心白(しんぱく)って部分が大きいです。
心白とはお米の中心にある隙間だらけの部分で、そこに入り込んだ麹菌が良く育つらしい。
なので酒米は普通の米より心白が大きい品種。
(ちなみに酒米を炊飯器で炊いて食べてもおいしくないそうです。)
で、酒米にも品種があって、有名なのは「五百万石」「山田錦」「美山錦」とか。
でも、いずれも生産地は本州なのです。
このお米を使わないとうまい日本酒が作れない・・。
ましてや北海道米でうまい酒なんてつくれないべや!というのが常識だったのが数十年前の話。
ところが平成12年に正式に採用された北海道産の酒米「吟風(ぎんぷう)」をかわきりに、平成18年「彗星」、平成26年「きたしずく」と北海道からも酒米品種が誕生。って簡単に書いちゃってるけどお米の品種改良って色んな品種を掛け合わせて超長い期間取り組まねばいけないので、まじで大変らしかった。酒米なのに「きらら397」とかの血統も入っていておもしろいです。
とにかくそういうわけで、お米の品種改良で北海道産の酒米が誕生したことで、「オール北海道の原料で日本酒ができるようになった!」っていうのは結構最近の話。
それを新しい酒蔵、腕利き杜氏が作るっていうから今後が楽しみです。