むかわ町穂別に来ています。
札幌から車で2時間弱のこのへん。
今日は「地球体験館」という博物館に行ってみます。
地球誕生の歴史について学べる学習施設らしいです。
外見は普通の博物館。
(この中がB級の巣窟であることは、この時まだ知る由もなかったのだ)
ここは1989年の横浜博覧会のパビリオン「MMCコーヒー地球体験館」が元になっているそう。1992年になぜか北海道のこの地に移転してきたらしい。
入場すると「1団体につき1名のサイエンスガイドが同行します」という指示があり、入れるのはあと30分後だからそこらへんで待っていられよ。とのことだった。
他のお客さんはちびっ子を連れた家族連ればかりで僕は少し恥ずかしいような気持ちで待合スペースでしばらく待った。
*
待合室には「シスト男爵」というむかわ町非公式キャラクターのイラストが所狭しと貼られていた
ちょっとキモイ路線を狙っているんだけど、やり切れていない感がとても悲しい。でも子供たちはシスト男爵の塗り絵を一生懸命やっていた。町おこしに力を入れているんだなあ。
そうこうしているうちに出発時間になった。
僕のほかに家族連れ3組ほどが合流。
サイエンスガイドのお姉さんと冒険に出る設定。なんかわくわくするぞ!
「さあ出発します!皆で一緒に!えいえいおー!!」
と拳を振り上げる。みんなの心はひとつさ。
※万一これから行く人がいたらあれだから一部の写真だけ載せときますよ。
くさい!ちょっと暑い!「熱帯雨林」ゾーン
僕らはまずプラスチックの造花で出来た熱帯ジャングルを潜り抜けた。
100均の造花コーナーの臭いが立ち込めていて大変くさい。
スピーカーからけたたましい鳥や動物の鳴き声が響き渡る。
よく見ると造花の間から、インコやチンパンジーの人形が僕らを凝視しているではないか。
こわい・・・!!
天井には資材を繋ぐための隠れきれない虎ロープが見え隠れしている。
熱帯雨林エリアだけあって、なんだか暑くなってきた?
そう、この博物館はエリアごとに温度が変わるのである。
そうこうしているうちに今度はプールの様な塩素のかおりがしてきた。あれは・・・
遠近法がかなり苦しい!「太古の海」ゾーン
ここでは恐竜が生きていた時代の海を再現しているらしい。
壁には空の絵が描かれ、手前にミニチュアのヤシを置くことで遠近感を出している。
ところが他の植物の大きさは適当なのでかなりぐちゃぐちゃ。
「この岩は本物ですよ!」とサイエンスガイドのお姉さんは誇らしげにいう。
なぜか、岩だけは本物らしい。
これが太古の海・・・(心の目)
ガイドのお姉さん「海の向こうに恐竜が3体いますよ!どこにいるかわかりますか!?」
・・・・
『クビナガリュウは恐竜じゃないのでは?』僕と隣にいた少年は一瞬そう思ったけど言わないでおくことにした。
暑いぞ!「砂漠」ゾーン
急にエジプトに到着した我々。
あ・・暑!!
このエリアでは熱風が天井から出てくる仕組みになっているのだ。砂漠だからね。
暑さのせいかジオラマが急にリアルに見えてきたぞ・・・!
暑い・・
(このへんから面白いと思い始めました)
と思ったら急に寒い部屋「氷河期」ゾーン!
めっちゃ寒い!!
このエリアの設定は「もしアメリカに氷河期が来たら」という謎の設定。
このエリアにて、世界は終わりました。
こちらは、とある部屋の窓から、氷漬けになった街を眺めるというシチュエーション。
この部屋にはどうやら画家が住んでいたみたいですね。
描きかけの絵にはエイリアン的なものが描かれていて世紀末感が漂っている。
ソファの後ろに掛けられたヒエロニムス・ボスの「快楽の園」が意味深。
手前のテーブルには冷たい粘土が置かれていて、触って冷たさを体感できる。
ああ寒・・。
そして、宇宙へ・・・
その後僕らは時空をワープしたり、超高速エレベーターに乗ったり、揺れ動く大地を乗り越えたりしながら最終的には宇宙に行った。
まさか宇宙にまでいけるとは思わなかった。大冒険だ。
冒険のあかしとしてパスポートを手に入れた。
大人の感想としては、あの暑いゾーンや寒いゾーンを維持する光熱費は大変なものだろうという意見で一致した。大人入館料1000円とやや高めなのもうなずける。
しかし体感温度は直接感じられるものだから、なかなか素敵なアイデアだと思った。
ただ温度変化が急なので体の弱い人やお年寄りは気を付けた方がいいかもしれない。
小学生くらいまでなら十分楽しめるスポットだと思う。
帰りに町の「道の駅」で、この町の特産品であるシシャモを食べた。
この道の駅、同じむかわ町内にあるのに、なんと車で40分も離れている。
というのもこの町は2005年に「鵡川町」と「穂別町」が合併してできたので、めちゃ広いのである。メインの観光施設と道の駅がこんなに離れているのもどうかと思う。
ちなみにシシャモの旬は10月~11月である。
よって、それ以外の時期にシシャモが売りの飲食店に行っても食べられない場合も。
ぼくはこういう施設が大好きだ。
展示は設立当初とほぼ変わらないと見受けた。今はCGとか映像効果がいくらでもあるけど、今作っても、この「アナログな感じ」の展示は二度と出来ないだろう。
末永く続いてほしいと思う。
※そんな僕の想いとは裏腹に、残念ながら2019年3月をもって閉館が決定しました。北海道胆振東部地震の影響により天井が崩落したり、使用されていた本物の岩(200㎏)が倒壊するなど、館内の修繕が不可能と判断されたそうです。
新しい施設で、また町がにぎわう事を願っています。27年間ありがとう。