どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

北海道の縄文土器が見たい方へ‥北海道埋蔵文化財センターは親子でも楽しめるよ

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前回江別市に縄文土器が大量にあることを知り、これは他にも縄文土器が見られる場所があるかもと思い探してみると、「北海道埋蔵文化財センター」なるものを発見した。

「埋蔵文化財」というところが縄文のみならず何か包括的な時代の遺物を収蔵しているかのような威厳があるし、「センター」というところが何か研究機関的な感じがするし、何しろ「北海道」を冠しているのだからこれはいかないと縄文モグリだと思われかねないという自意識を過剰にさせたので行ってみることにした。

 

 

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こちらが北海道埋蔵文化財センター。すっかり秋ですね。

 

 

 


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一番奥が土器の展示コーナーであるが、そこに行くのを阻むかのように「体験コーナー」が置かれている。「火おこし」「勾玉つくり」「土器づくり」などが体験できる。

本当は展示コーナーに行きたいのだが、ちょっとよっていきませんかーと夜更けのすすきの如き声が左右から聞こえる。むろん土器づくりや火おこしに興味のない人にその声は聞こえない。

おもわず「火おこし」の誘惑に負けてしまい。大人であるにもかかわらず火おこし体験に汗を流してしまった。

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火おこしにもいろんな種類があるのだが、道具はすべてそろえられているので初めての方でも安心。肩を楽にして火を起こしてください。

 

結局火は起きなかったので縄文時代では生きていけないという事がわかり絶望してると、横の「土器コーナー」にいる小学生くらいの男の子と母親の会話が聞こえてきた。

 

少年「あーあー、おれも縄文時代に生まれてたら自由だったのにな!」

母「何言ってるの。縄文時代なんて不自由じゃん、電気もスマホもないんだよ?」

 

 

このお母さんは何もわかっていない。

電気とスマホが何を自由にするのか。

少年はこの先スマホを持ち自己承認欲求を増大させ、執拗なSNSの束縛に苦しみ、かといってスマホは使えるけど十分なプログラミング教育もされてないからパソコンよくわかんないんだよね・・・そんな少年の末路が見えたきがして、確かに1万年早く生まれていれば君は野を駆け獣を狩る自由な生活ができたのかもねと思った。

 

 

 

 

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他にも土器づくりや拓本体験などもあるので、「唆る」という漢字が読めるお子様をお持ちの方は、興味があるかもしれないのでいかがでしょうか。

この体験コーナーを駆使すれば親子で1時間くらいはつぶせると思います。

 

 

常設展示へ

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この赤いピンは北海道で埋蔵文化財が発掘された場所。意外と多い。

 

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展示室では主に千歳市や江別市の出土品を展示している。

特に千歳市のキウス遺跡から出土したものは意味不明な形をした土器が多いので、土器好きはにやにやできると思う。

 

 

縄文時代は過剰なまでに土器のデザインが発達した時代で、あきらかに「やりすぎ」な作品が多いのが特徴である。

ごてごてと装飾がついた土器で煮炊きをするには使いにくかったと思うが、彼らがよっぽど暇だったのか、それとも装飾に何か意味があったのかは今となっては誰にもわからない。

縄文時代に続く弥生時代や古墳時代になると、飾りが取れて実用的なデザインになる。「須恵器」くらいになるとニトリで売っていたら思わず買ってしまいそうな感じである。

 

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これは巻貝を模したような土器。

もちろん作った本人に聞いたわけではないので、巻貝と聞いたら怒るかもしれないから断言は避けたい。

馬の絵を描いたのに犬の絵と言われたらあなただって怒るでしょう。

 

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これはママチ遺跡から出土した土面。国指定重要文化財。

どうやらお墓の墓標に付けられていたものらしいが、それも作った本人に聞いたわけではないのでわからない。

ただ無表情で安らかに眠るような顔は、作り手がおそらくそんな想いを込めたのだろうな、というところまでは想像できなくもない。

 

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一応「双口壺」と名前は付いているが、これも用途不明な土器。

若い男女がストローを入れて飲みあったものと推測される。

 

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これに至っては「ダルマ形をした赤彩土器」

もはやネーミングがめんどくさくなったらしい。

 

 

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「土偶(脚部)」

足だけなのが逆にセクシーな一品。

美的センスが過剰に発達した縄文人であるから、あえて上半身を作らなかった可能性もあるかもしれない。ミロのビーナスやサモトラケのニケのように、人は無いものに惹かれるのである。

 

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そしてこの土器。

なんと「コクゾウムシ」という穀物につく虫が500匹も練り込まれている!

説明書きによると、縄文人たちはコクゾウムシを栗の化身と考えており、栗の豊作を願って練り込んだのではないかしらん、と書かれている。

コクゾウムシを栗の妖精さんと考えるほど縄文人の頭はハッピーだったのだろうか・・

コクゾウムシは縄文人たちの主食である栗や木の実を食害するであろうから、もしかしたらそれに憤慨して怒りのあまり大量のコクゾウムシたちを土器にぶち込み、これでもかとこねくり回したあげく焼いたのかもしれない。

それとも土器に虫を入れたいだけの変態かもしれない。

現代で同じことをすると、「コクゾウムシ達がかわいそう!」「土器に練り込む以外の方法はなかったのか!」「栗を食べる人間の方が死んだらいいと思います!」などの苦情の電話が殺到することが予想され、先程の少年の言う通り確かに現代は不自由なのかもしれない。

 

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そしてぜひ見てほしいのが「動物型土製器」(複製)

なんてチャーミング!

「動物型土製器」という名前は付いているが、何の動物かはわからない。

横向きにすると鳥にみえるような・・

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縄文時代というのは偉い学者が何を言っても、文字も記録も残されていないのだから「こういう文化であった」という証拠は何一つない。だからみんな自由に想像して楽しんで良いのである。

縄文時代はなんと1万年近くも続いて、その間こういう面白い土器を人々は作り続けたのである。日本が一番自由でピースフルな時代だったかもしれない。

 

 

ちなみに「北海道埋蔵文化財センター」は、展示説明がやや雑というか乱暴であり、縄文や土器に興味が無い人が見た場合、5分程度で見終わることを申し添える。

「石器接合資料」を見て興奮しているあなたの横で、お連れ様が置いてけぼりになってしまわないようご注意されたい。