どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

旭川のちゃんこ鍋を食し、旭川第七師団に思いを馳せるなど

用事があったついでにちょっぴり旭川をぶらぶらした。

「旭川 おいしいもの」「旭川 ランチ」などで検索するとコピー&ペーストで作ったような内容、同じ店ばかりが延々にスマホに出現した。

美味しいものが食べたい。しかし旭川には土地勘が無い。困ったものだ。

まことに情報を探すのが難しい世の中になったものである。

 

仕方がないのでインスタグラムの料理画像をだらだら見ていると、ある「きしめんの画像」にピピピと美味しさアンテナが反応した。

レビューも口コミも見ていないが、直感を信じその一軒を訪ねることにした。

 


北の富士本店櫻屋

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訪れてみるとなかなか立派なお店である。

きしめんを求めてきたのだけど、どうやらちゃんこ鍋のお店らしい。

 

旭川出身の北の富士というお相撲さんの親戚のお店とのこと。

店内には北の富士ゆかりの品々が。

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これが北の富士親方・・・なかなかイケメンである。しかしご家庭のアルバムに入っていそうなナイスな一枚。

 

北海道出身の力士って千代の富士くらいしか知らんのですけど、北の富士の現在のお姿を検索してみたところ、拝見したことのあるようななような。

 

 

店内で飲食するのもあれなんで、テイクアウトのちゃんこ鍋を購入してみることにした。

ちゃんこ鍋の中にはきしめんも入っているらしいので、当初の目的はまあまあ果たされたといっていいだろう。

 

事前に予約が必要かなと半分あきらめていたんだけど、この日はお客さんもいなくてすぐに注文できた。

牛、鶏、海老、カニ、ホタテ、鮭・・といろんなちゃんこがある。

自宅にいる時間が長すぎて普段見慣れない「ボタン海老」「タラバガニ」などの単語がうまく脳内で処理されない。

あわあわしつつも、値段との兼ね合いもあって鶏ちゃんこを注文した。

 

「準備するので店内でちょっと待っててくださいね」とお兄さんに言われ、店内で待機。お店の中で待つという行為自体1年以上ぶりであるので、待ち時間でさえしみじみとするなあ。

10分ほどすると、すてきなピンクの風呂敷につつまれたちゃんこセット。

ずっしりと重いちゃんこをうやうやしく受け取り、お店を後にした。

 

ちなみに今回は偶然車内に保冷バックがあった。その中にコンビニで氷を買って冷やしながら持ち帰っている。ちゃんこセットには生肉や生魚も入っているので、そのへんは考慮されたい。

 

 

 

 

北鎮記念館にて旭川第七師団に思いを馳せる

ちゃんこに保冷剤も入れたし、軍都旭川に来たからには、それっぽいところをちょっと見学したいな。

ちょっと説明的なことを書くと、旭川は開拓時代から屯田兵が多くおかれ、やがて旧陸軍の第七師団っていう大きな部隊が置かれた。

第七師団はロシアとかから北海道を守る北辺の守護者として「北鎮部隊」と呼ばれてる。

 

 

というわけで「北鎮記念館」によってみることにした。

北海道の方でも北鎮記念館をご存知ない方が多いかと思うが、それもそのはずここは陸上自衛隊の広報施設なのである。ふつうの博物館なら学芸員さんがいるのだけど、ここは自衛隊の方がいるのだ。なんだか変な感じがするが、見た目はふつうの資料館って感じである。

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自衛隊の敷地内(すぐ横が旭川駐屯所)にある。

 

建物の裏には第七師団司令部の門柱が残されている。

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もう気付いたかもしんないけど、一応ここはゴールデンカムイの聖地らしい。

 

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当時の哨所、やたら低い。

昔の人はちいさかったんだな・・

 

 

受付に行くと、受付のお姉さん‥ではなくカーキ色の制服を着た自衛隊のお兄さんじゃん。

「記帳台に名前と住所を書いてくださいね」

いつもなら個人情報を晒すなんて意味わからんと思って無視るんだけど、お兄さんがじっとりと見ているのできちんと書いた。

 

お兄さんはこの後、展示品の弾薬の数を数えるなど(他の博物館ではここまでしてるの見たことない)しておられた。

 

それはそうと、館内にゴールデンカムイの作者野田先生のサインがあるはずなんだけどどこだろう・・

 

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当時の実物資料がごっちゃりあるのが良い感じである。

この日はめちゃ寒い日だったんだけど、屯田兵に支給された軍服より自分ははるかに暖かいものを着ていて、なんだか微妙な気持ちになった。

 

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上の二つは開拓期に北海道で多く使われた「村田銃」である。本物が見れて嬉しい。

村田銃は日本最大の獣害事件である「三毛別羆事件」でも登場するのだけど、実物を見て、確かに貧弱な銃だな、と実感した次第である。

▼三毛別羆襲撃事件の詳細はこちらの記事からどうぞ。

dosanko-camera.hatenablog.com

人食いヒグマ発見時、村人が銃で撃ったにもかかわらず、ヒグマを駆除できなかった。その時村人が使っていたのが村田銃だったと思う。

その時駆除できていれば、その後の悲劇は起こらなかったのだが・・・

実物を見てみるとほんとに村田銃って小さくて銃砲身は細いし、これじゃウサギがリス撃つくらいがせいぜいなんじゃないの。と思ってしまう。

事件後の捜索隊が使ってたのも貧弱な村田銃だったのを考えると、当時の開拓民がほとんど無防備な状態で獣がうごめく原野にいたんだなって事がわかって恐いし、自分だったらできないなって思う。

 

それから一番下の銃はゴールデンカムイで土方歳三が使ってたウインチェスター銃なんだけど、土方のはM1892で展示品はM1873らしいんでちょっと違う。

ウインチェスターはアメリカ製なのでマンガのように北海道で使われていたわけでは無い。日本の銃がアメリカの銃に追いついたぜ!てことで比較のために展示されているだけなんだけど、村田銃、比べちゃうと充分貧弱に見えちゃうけどな・・・

 

ちなみに西部劇で荒くれもの達がよく使ってるのがウインチェスター。シルエットが猟師の銃って感じではなく無骨な感じでかっこいいすね。

 

 

それにしても館内に野田先生のサインがあるはずなんだけどどこだろう・・

 

 

全体的な感想としては、博物館と違って体系的に歴史を教えてくれる力っていうのはちょっと弱いと思うんだけど、他では見られない展示品がたくさんあるのでそれは見どころの一つ。まあ博物館は解説と展示技術が商売みたいなもんなので、それを求めるのも違うかもしれませんが。

いずれにせよ、わかりやすく親切な解説を求めるというよりは、事前に知識を詰め込んでから行くととても楽しめると思う。

僕は日本海海戦くらいまでは分かったんだけどそれ以降は知識がなくて全然ついて行けなかった。

こんな感じの映画とかでもみると主要人物わかると思う。

二百三高地

二百三高地

  • 仲代達矢
Amazon

 

 

あと後半はいわゆる、あてられたような感じになって、(別に霊感とかは無い)ちょっとしんどかった。

細かい部分は勉強不足でわかんなかった部分もあったけど、第二次世界大戦は学校でも教えられたりしてそれなりに当時の人の気持ちとかも分かる。でもそれ以前の日露戦争とか日清戦争って遠い昔のことみたくなっててあまり意識に登らないと思う。でも同じように人がめっちゃ死んだ。当然だけど。

日露戦争の時は戦車も飛行機も無いから人間が戦いに行くしかなくて、弾丸補充するみたいに軍の上層部が大量に人間を戦地に送り続けたのとか知ると、今はひとりの人間として見られてるけど戦争始まったら弾の一つになってしまうのだなと思って悲しい。

日露戦争では8万人以上死んだらしい。

 

 

 

展示を見終わって出ようとすると、受付のすぐ横に野田先生のサインを発見した。

でも受付の横に行くの、恥ずかしい!!

見たいけど、恥ずかしい!!

というわけで、サインは見なかった・・。

 

ゴールデンカムイが好きな人、おそらく盗難防止のために受付の横のガラスケースに野田先生のサイン(たぶん鶴見中尉のイラスト)があるので僕のかわりに見てきてください。

 

 

 

ちゃんこをいただく

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帰宅

ちゃんこセットをあけてみるとこんなすてきな感じ。(奮発して2人分買った)

豆腐やがんもまでついてる。ごぼうはささがきしてある!

 

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もみじ麩まである!

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めっちゃうまかった。

ちょっと多くてこれは食べれないな、と思ったきしめんは、ぺろりだった。