どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

嗅覚がなくなっちゃった

コロナ下の3年間、一度もかかったことがなかったので、もう乗り切ったなぁと思ったらかかってしまいました。残念。

 

熱は38度台でそんなに高くはなかったのですが、嗅覚がなくなってしまったようです。

 

コロナ5日目くらいで熱が下がったので、久しぶりにシャワーに入ろうとしたところ、日ごろ気づかない浴室内のカビに気づいてしまいした。

これはきもいやん・・・と思ってカビ〇ラーをかけたのですが、あの塩素のきつい匂いが全くしない。

あら、まさか、と思って冷蔵庫からケチャップを取り出し、蓋を開けてくんくんしても、何もにおいがしない。

 

ああ嗅覚よ・・

 

コロナ中も味はしていたので安心していたのですが、嗅覚と味覚って別なんですねえ。

ちなみに、鼻の穴が詰まっているわけでは全然なくて、鼻呼吸は余裕でできるんだけど匂いがしないのです。不思議です。

 

ありがたくはありませんが、治ると嗅覚のありがたみがなくなりそうなので当ブログに記録しておきましょう。

 

嗅覚がなくなる原因

実はというか、予想通りなんですけど新型コロナウイルスでなぜ嗅覚がなくなるかの原因ははっきりわかっていないらしいです。

 

東京大学の保健センターさんによると、

新型コロナウイルスには神経親和性があるといわれることから、ウイルスによる直接的な神経の障害の可能性も考えられます。ただ、後に述べるように、新型コロナウイルスによる嗅覚・味覚障害は、神経そのものの障害とするには早期に改善する例が多いため、神経自体の障害というより、神経周辺にある嗅細胞の支持細胞等への障害により、嗅神経の機能が阻害されている可能性も考えられます。

新型コロナウイルス感染症と嗅覚・味覚障害/東京大学 保健センターより

 

また、上記のホームページには

長期的には、全体として80%の患者さんが改善しますが、完全にもどるのは3割程度と報告されています

という恐ろしい言葉もありました。ひゃっ

 

 

 

嗅覚の仕組み

なくなってはじめて気づく嗅覚の仕組み。

そもそも匂いってどうやって感じているのかしら。教えてWikipedia。

1. 嗅球
2. 僧帽細胞
3. 骨(篩骨の篩板)
4. 鼻粘膜上皮
5. 嗅糸球
6. 嗅覚受容細胞

 

空気中の化学物質は鼻腔の天蓋、鼻中隔と上鼻甲介の間にある粘膜(嗅上皮)の嗅細胞によって感知される。この嗅細胞の細胞膜上には嗅覚受容体であるGタンパク共役受容体 (GPCR) が存在し、これに分子が結合して感知される。受容体を活性化する分子が結合すると、嗅細胞のイオンチャネルが開き、脱分極して電気信号が発生する。この電気信号は嗅神経を伝わり、まず一次中枢である嗅球へと伝わる。さらにここから前梨状皮質、扁桃体、視床下部、大脳皮質嗅覚野(眼窩前頭皮質)などに伝わり、色々な情報処理をされて臭いとして認識される。

(嗅覚 Wikipediaより引用) https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%97%85%E8%A6%9A

 

うーん、なにいってるかわからん。

 

というわけでこちらの本を読んでみました。

「ふーんまあだいたい匂いの仕組みが分かったわあ」というレベルの知識が得られます。1時間くらいで読み終えられるボリュームがちょうどいいです。

後半に行くほど専門的になりますが、そこを全部覚えようとしなければ、だいたい匂いのしくみってこんな感じやわーという事がわかります。

 

空気中にただようにおい分子は、鼻の奥の「嗅上皮」という粘膜にたどり着きます。

この嗅上皮には「嗅細胞」がめっちゃたくさんついております。

嗅細胞がにおい分子をキャッチすると、それを電気信号として脳に送って、それを「匂い」として認識するらしいです。

 

えーそれだけかーと思ったりしますが、そこに至るまでの道のりがすごくて、本を読んで「自分の鼻すげえな」と思いました。

 

嗅覚受容体遺伝子はヒトで約396個あると言われておりますが、イヌは約800個あってめちゃ鼻がよいです。さすがイヌ!と思いきやマウスは1,000以上もあって、全然マウスのほうが良いのです。

最近の研究ではゾウの嗅覚受容体はマウスをはるかにしのぐ約2,000個という事がわかったそうで、「手みたいに鼻を使ってるのにそんなに匂いがわかって大丈夫なの象・・・」と思ったり。

 

ちなみにヒトは396個しか嗅覚受容体がないわけですが、だからと言って396種類の匂いしかわからないというわけではなくて、1つのにおい分子に複数の細胞が反応して、その組み合わせがコード(符号)のようになって、分類され、それを匂いとして感じているそうです。その辺の興味がある方は上述の脳のなかの匂い地図 (PHPサイエンス・ワールド新書)を楽しく読めるかと思います。

 

 

鼻の穴からばっかりがにおいじゃない

匂いには2つの経路があります。

鼻からくんくん嗅ぐ経路→オルソネーザル

食べものを飲んだ時、喉から鼻に抜ける経路→レトロネーザル

 

自分は、甘いとかしょっぱいとかの味覚はあるのですが、食べ物を噛んだり飲み込んだりしたときの「戻り香」であるレトロネーザルも失っているため、いわゆる「風味」がわかりません。

コショウを食べてもショウガを食べても「辛い」味はするのに、かんだ時の匂いがないのでコショウなのかショウガなのかがわからない。といった感じです。

あるいは、甘いクリームを食べていることは認識できても、レトロネーザルがないためにそれがチョコクリームなのかピーナツクリームなのかはわからないのです。

 

匂いを嗅ぐというと鼻からくんくんというイメージですが、喉の奥や口からも匂いをかんじていたんですねえ。

ちなみに、先ほども触れたようにヒトはほかの動物と比べて匂いをキャッチする細胞は少ないんですが、このレトロネーザルはイヌやマウスだとほぼ機能していないそうです。

人間だけに与えられた特権!!犬とかねずみとかかわいそうにね!!あ、今の自分の状態だ

 

 

コーヒーは香りを楽しむものらしい

勤め人としての唯一の楽しみはコーヒー・・・みたいな生活だったのに、コーヒーの味がわからないのが何よりつまんないです。マジで落ち込んでいる。

会社の1杯単価65円くらいのコーヒーも、お気に入りの店のちょっと高いコーヒーも同じ苦いお湯。苦いお湯でしかない!!

「コーヒーは香りが命」なんて言われますが、実際味わっていたのは味じゃなくてマジで香りだったんだ・・・・と思いました。

ほかに緑茶も紅茶も麦茶も同じ結果で、全部「なんか渋い味の水」という感じ。

 

 

 

嗅覚トレーニングセットとか

いまのところコロナで失われた嗅覚に、これだ!という治療法はないのですが、アメリカで嗅覚トレーニングがにわかに注目され始めたらしいという事で購入してみました。

ローズ、レモン、ユーカリ、クローブの4種類を毎日嗅ぐというもの。

匂いを感じなくても、「これはこういうにおいがするはずだッ!!」という気持ちでトレーニングするのが大事らしい。

これで治ったというはっきりした研究結果があるわけではないし、治ったとしてもトレーニング効果じゃなくて単に日数が経過して自然治癒したんじゃねーのという考え方もあるのですが、なにもしないよりいいかな・・・気休めに・・・みたいな気持ちで購入。

中はこんな感じ

4つのスティックにそれぞれの匂いが入っています。

説明書ではこれを鼻の穴にぶっさすらしいけどさすがにそれは・・・・・

 

友人に嗅がせたら結構匂いはきついらしいのですが、何もわかりませんでした。

 

 

 

今はクローブとバラの香りは若干わかるようになっております。

まあいろいろ鼻について知れたんでそれは良かったですかねえ。