海外からの観光客が爆増してからは、小樽市内は明らかにオーバーツーリズムになっていた。
情緒も何もあったもんじゃなく、しばらく忘れていたのだけど、最近団体客が減ったこともあり、あえて泊まりに行くことにした。
というのは半分本当だが半分見栄で、コロナが収束したあたりからがっつり体力が落ちてしまい宿泊という行為がめんどくさくなってしまったので、リハビリを兼ねてあえて近場に泊まろうという算段である。
というわけで選んだのが天下の星野リゾートが手掛ける「OMO5小樽」である
星野リゾートのホテルは高級なイメージがあるが、OMOというブランドは「街ナカホテル」をコンセプトに掲げており、部屋のグレードや時期に注意すればそのへんのホテルと同じ価格帯で宿泊できる。
※かつて札幌にも「札幌OMO3」というホテルが存在したが、2025年に閉館した。
そのため北海道には小樽OMO5、函館OMO5、旭川OMO7の3つがある。
小樽OMO5を選んだ理由は、小樽市指定歴史建築物に登録されている100年近く前の建物に実際に泊まれるからだ。
そんなわけで小樽OMO5はこちら

ガチな古建築だ!!

なんかの文化財なんじゃない?ほんとにここに泊まれるの?という感じ
ちなみにホテルの受付があるのは隣の建物で、こちらは新築。

左が今日泊まるとこ。右がフロントのある新築。新築のほうにも客室があるんだけど、せっかくなのであえて古い方に泊まることにした。

今夜のお宿アップ。「小樽商工会議所」の文字が残っている。
元々は小樽商工会議所だった建物だ。
建築年は1933年というから戦前である。
外装の彫刻は石川県産千歳石、正面玄関には土佐産の大理石が使われているそうだ。戦前のRC造建築は現存数が限られるのでかなり貴重だが、そこにお泊りできるとは・・
ここに行く前に、同じく100年以上前の某建物の内部建築を見学したのだが、超貴重な当時の壁紙や布製品がそのまま保存されていた。
火災や取り壊しで廃棄されがちなこれらのものが保存されているのは本当に貴重なことであるが、僕の鼻は歴史的価値に関係なくハウスダストを検知し、見学中はずっと鼻水を垂れ流し喉をイガイガさせていたのだった。
このホテルもそんなことがあったらどうしようかしらん、と一瞬頭によぎったけれど、内部はすっかりきれいリノベーションされており、ホテルの廊下から部屋まで当時の面影を残すものはない。
お部屋の中

風呂

こんな感じできれいだった。
1階に泊まったんだけど、外や廊下の騒音が全然聞こえなくてびっくりした。
やっぱり外側ががっちりしているからなんだろうか?なんなら自分ちより静かでめっちゃ寝た。
当時の図面を調べてみると、今日泊まる部屋は元事務室だったようだ。
ここで100年前の誰かがお仕事してたのか知らん・・と思いながらベットに転がる。
(なぜか申し訳ない気持ちになる)
ホテル内はすっかりきれいになっているので、当時の面影を残すものは、この石階段くらいである

石階段時代が貴重なものであるが、手すりをくりぬいてわざわざ窓をつけている。
いったんホテルを出ていろいろ歩いたんだけど省略。
あとは小樽市街のカフェにばっかりいたので、良さげなカフェは紹介しときます。
ランプ&ベル



わりと空いてる瞬間に入れたけど時間によって混む。韓国の方にも人気らしい。
BGMがでかいけど店内は割と静かなんでゆっくりできた。
アップルパイはあっさりめ。
ちなみにランプ&ベルはこんな小道の奥に入口がある。
信じて進んでください。

ルタオ運河プラザ店

最初に書いておくがこの「とろとろ生ショート」はドリンクセットで1,900円(税込)だ!!
観光地価格、物価高、なんとでもいうがいい・・
ルタオはどちゃクソ混むので小樽に行っても行かないようにしていたが、運河プラザ店にカフェがオープンしたとのことで行ってみたのだった。
そのカフェのウリが「とろとろ生ショート」なのだ。
せっかく来たからという言い訳が通じるのが旅ですよねえ

店内はめちゃくちゃ混むし待ち時間も長い。広い空間にテーブルとイスがあるだけで、席ごとの仕切りもないので、あんまり落ち着く感じではなく一人旅にはおすすめしない。

あと紅茶がおいしい。
***
ダラダラしていたら日が暮れたので夕食を探しに行く。
OMOではホテル近くの飲食店を紹介する取り組み「ご近所マップ」をやっているので、それを目当てに夕食にありつこうと思っていたが。今のご時世どこの店も予約優先らしく、ふらりと入店できる店は少ない。
コロナ禍以降は閉店時間が早くなった店が多く、あっという間に夕食難民になってしまった。
駅の方まで行けばお店があるかしら、と歩いていくが、とにかく店がない。
商店街はどうかしらと歩いてみても、人影すらなくなってきた。
狸小路のイメージで歩いてみたが、どうも様子がおかしい。

だれもいない・・・・まだ19時である
しかたなくホテルの方向に戻るが、昼間の賑わいは消え、メイン通りを外れると人がいない。
おまけに街頭もまばらで真っ暗、ちょっと怖いこれは。
そして店がない。

腹も減り、人気もなくて心細く歩いていると、オレンジ色の灯りが見えた。
これはと思ってい近づいてみる。

コメダであった・・・・
なぜ小樽に来てまでコメダなのだ、と思いつつも、寒さと空腹に耐えかね入店。
寒かったのでミネストローネと、お腹が減っていたのでミニシロノワールという珍妙な組み合わせになってしまった。
小樽に来てまで夕食がシロノワールになるとは思っていなかった。
20時になるとホテルのラウンジが開場するので、それまでコメダで時間を潰した。
ホテルのラウンジはランプがともされており、風情がある。
が、燃料の匂いもすごい。酔っぱらって倒さないよう気をつけて酒を飲む。

ちなみにラウンジは100年前は大会議室だったようだ。
お酒を2杯ほど飲んで寝た。
朝食は思ったより品数が少なく、名物の「海鮮パフェちらし」も見た目は良いがまあこんなもんかなという感じだった。
ご飯はガス炊飯器で炊かれており、白飯だけが異常にうまかったのでおかわりした。
古い建物を保管するには世の中が豊かでなくてはならない。世の中が貧しくなればなるほど、美術や芸術など食えないものは二の次になるだろう。
そういった時代に向かっていく現在で、たとえばホテルという付加価値をつけていくことは、少なからず建物の保存に前向きな働きだと思う。
どんなに歴史的な価値があっても、貧しい世の中では大多数から見て価値のないものは消されてしまうからだ。