北海道と言えば鮭。さけ、しゃけ、とも読む。
北海道とは切っても切り離せない魚であるがゆえに、この地には「鮭の水族館」がある
それがこちら
ちなみに千歳は「せんさい」ではなく「ちとせ」と読みます。
「サケのふるさと」というネーミングは、ここ千歳にある「千歳川」に多くのサケが遡上すること、そしてサケの人工ふ化発祥の地であることによる。
サケは生まれた川を覚えていて、大人になるとその川に帰ってくるという摩訶不思議な生態を持つ。
入場料は大人800円也。
さあ鮭をみせてくれ!!
あら意外ときれいな館内。
意外とデカい水槽。綺麗ねー。
プラスチックで再現された支笏湖の苔の洞門をくぐり、そういえば本物のほうは立ち入り禁止になってるんだっけと思ったり、支笏湖に生息するヒメマスたちを愛でたり。
はたまた次に進むとちびっこが大好きなタッチプールがあり、多くの子供たちをここで追い抜くことができる・・・と悪い大人になってみたり、そうかと思えば水槽の上に鳥が泳いでいて、それがあまりにもかわいく、結局子供達と一緒にかわいいねえと愛でるなどしていた。
あんまりサケ、いないんですね。
まあサケは全然いないけどサケがいなくても楽しめるしいいな‥‥
しかしこの水族館の真骨頂はここからだった。
地下に降りていくと、「水中観察ゾーン」というエリアにつく。
地下の壁にはいくつか窓があり、そこから水族館のそばを流れる千歳川の中を、そのままのぞける仕組みになっている。
自然のままの川を、屋内にいながら観察できるしくみだ。
窓をのぞくと、思ったよりも水質がきれいでとてもよく見える。
川底の砂利や、すぐ上にはなんらかの小魚たちが泳いでいる。おお。いつも見えない川の中には、確かに生命がいるのである。
上の方に目をやると、黄色く色づいた落ち葉や小枝がものすごい速度で川に流されていく。
サケはいないが、およそ目視できない自然の中に人間以外の生物が確かにいるのだ!という至極当たり前だが忘れがちな事実を確認して、なんだか刺激をうけたのだった。
およそ人間が管理している水槽の中では得られない・・と感心していると、
何もない水槽にサケが躍り出てきた。サケ!!
おわあああ
サケ、窓がくぼんでいるから思わずそこに入ってしまうのか、まるでバーチカルランプから登場するスケートボーダーのようだ。
そしてめちゃ早い。
鮭たちは我々にその姿を見せつけた?あと、再び川の向こうへと姿を消してしまった。
さんざん、水槽の中の固定された魚を見た後だと、その別れが今生のものであるのが強調されるのだった。
鮭が生まれた川に帰ってくるのは、川の匂いを覚えているからだとか、磁力だとかいわれるけど本当はよくわかっていない。
北海道で生まれた鮭は海に出て、ベーリング海やアラスカ湾を経て成長する。
何年もロシアやアメリカを旅した後、わざわざ北海道の町に戻ってくるようなものである。
そうして、生まれた川に戻り(いまここ)、卵を産んで死ぬ。
惜しむべきは、その過程を日本語で説明して欲しかったが、どれも外国人観光客向けであった。
外に出ると先ほどのぞいた千歳川を眺められる。
赤と青の構造物は「インディアン水車」と呼ばれるもので、あれで川の中の鮭をキャッチする。捕まえられたものは研究に使用される。
眺めていると、あれよあれよという間に次々に鮭がキャッチされていく。
これがそのインディアン水車。あみあみのところが水流で回転する。
8月中旬から12月上旬まで設置する。
遡上のピークは10月なので、この時期はたくさんの鮭が見られる。
帰りに「さけパン」を買って食べた(かわいい)。
多くの人にとって鮭グルメが味わえる道の駅「サーモンパーク」が目当てかもしれないが、すぐ隣にある水族館もおすすめしたい。
こどもより大人のほうが楽しいかもしれない。