どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

監獄を見学!!月形樺戸博物館

月形(つきがた)町にある「月形樺戸博物館」に来ています。

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博物館といってもここは元「集治監(しゅうじかん)」だった場所。

かつて樺戸集治監だった施設がそのまま博物館になっています。

 

集治監とは明治時代に造られた監獄(刑務所)の一種で、北海道、東京都、宮城県、福岡県におかれていました。

集治監は、殺人犯など一般的な監獄より重罪人が収容されていたと言われています。

 

 

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こちらの方は樺戸集治監の初代典獄、月形潔さんです。

集治監では、刑務所長のことを典獄(てんごく)と呼びます。

集治監の初代典獄を務めた月形さんは囚人に寄り添い、地域に人々に尊敬されました。その功績をたたえ、この土地は「月形村」と名付けられます。こんにちの月形町です。

北海道では珍しい、人名がもとになった地名です。

 

月形さんのお写真はこちら。

なかなかイケメンです。福岡県出身の元藩士です。

 

福岡といえば、福岡県にも集治監が造られています。

なんで4都道県に集治監を増設する必要があったのか?というと

「明治維新」で幕府が倒れ、新政府の時代になります。

しかし旧幕府側はその後も反乱を続け、各地で新政府に反発する自由民権運動や士族反乱が勃発します。そのため彼らを「政治犯」として収容する施設が必要になりました。

さらに、新政府軍はそれまでの刑法を改革し、江戸時代まで行われていた拷問を禁止して懲役刑を導入しました。

これにより各地の刑務所は囚人でぱんぱんになってしまったので、あたらしい収容施設を増設しないといけなくなったというわけです。

その囚人たちを安価な労働力として使おうという政府の思惑もありました。

特に北海道はロシアの脅威があり開拓が急務であったため、この集治監の囚人たちは道路整備や水路工事など過酷な労働を強いられました。

 

また、前述の理由から重犯罪人だけでなく政治犯など思想的な理由でとらえられた囚人も多かったようです。

 

 

 

 

こちらが入口

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 入口の石畳がべっこり凹んでいますf:id:tamayoshi:20190512155418j:plain

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 これは、鎖と鉄球を付けた囚人たちが長年行き来することですり減ったものです。

 

というのは伝説で、その後役場として使われた時代にすり減ったものと考えられています。

 

 

 

 

さて中は・・・・

 

 

館内撮影禁止となっております。

皆様のご来場をお待ちしております。

 

 

中は歴史資料の他、囚人の足かせ体験などもありなかなか面白いです。

 

 

本館は、地下通路で新館と繋がっています。

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新館の上には当時実際に使用されていた鐘があります。

これを鳴らして起床時間や昼食時間をお知らせしていたそうです

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自由にならして下さい。

当時は間違った時間にならすと大変怒られたそうです。

 

 

新館の裏は工場が立っていますが、当時はずっと後ろまで刑務所の敷地でした。

一切光が入らず、横になるのさえ禁じられる「闇室」という独房もこの先にあったそうです。こわい

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ゴールデンカムイのタイアップ企画をやっていたようで、そのエリアだけは撮影可能だったのでぱちり。

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杉元さんの後ろに月形さんも写っていますね。

ちなみにこの集治監には、月形さんの知り合いであった元新選組の生き残り「永倉新八」もいました。ここで4年間、囚人に剣術を教えていたそうです。

博物館内には永倉新八自筆の書もあります。

この書はずっと旭川博物館にあったのですが、このたび100年ぶりに里帰りしたそうです。

 

 

北海道には、ここ「樺戸集治監」のほか、

三笠市「空知集治監」、標茶町「釧路集治監」、網走市「釧路監獄署網走外役所」、帯広市「北海道集治監十勝分監」がおかれました。網走はいまも刑務所として現役ですねー

博物館の展示をみるとうすら寒くなるような北海道の歴史も分かります。福岡の集治監もそうですが、人権という概念が薄い時代は怖いですね・・・

そのあたりは樺戸集治監を題材にした

新装版 赤い人 (講談社文庫)

新装版 赤い人 (講談社文庫)

 

 なんかを読んでから行くとより良いと思います。

 

北海道だけでなく全国各地でこういうことは行われているんですけどね。

じゃあ今の刑法がいいのかというとまた別の話なんですが・・。

 

 

*

 

 

ちょっとあかるい話題に変えて。

 

月形町ってランチの場所がほぼないのですが

博物館近くの「お食事の店 ポポット」なる店。

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ここのオムライスが良かったです。

昔ながらの正統派オムでボリュームも有。

おいしそうでしょ。