めっちゃ巨大な梨です。「千両梨(せんりょうなし)」という品種。
▼どのくらい大きいかというと、このくらいです。
スーパーで見かける普通の梨の1.5倍くらいありますかね。
重さは1キロ弱といったところでしょうか。
この大きさにも関わらず、お値段がお手頃という不思議梨です。
2個で400円ちょいでした。
この「千両梨」、実は北海道で生まれた梨の品種であります。
明治時代に、余市町の山道村(明治まで余市町にあった村)で、偶然発見されました。
種類としては「中国なし」の仲間です。
ちなみに梨は、3つに分けられまして、
「洋なし」・・ひょうたん型。柔らかくて甘い。”ラ・フランス”など
「和なし」・・丸型。シャリシャリして爽やか。”幸水”、”二十世紀”など
「中国なし」・・あまり見かけない。丸形もひょうたん型もある。缶詰にも使われる。
主な品種は”鴨梨(ヤーリー)”
の主に3つに分けられます。
千両梨は中国なしに由来するようです。
もしかしたら中国から誰かが持ち帰った梨かもしれませんね。
大正11年に「身不知(みしらず)」と名前を付けられましたが、なぜか「千両梨」という名前の方が定着したので、今では千両梨と呼ぶことが多いです。
その名の通り、たくさん実がつくのが名前の由来です。
大量に収穫できることから、北海道に広く普及したのは良いものの、いたるところで栽培されたのであっという間に市場価格が下がってしまいました。
高く売れないとなると、それを育てて売ろうとする人は当然少なくなります。
それに加え、後の時代にもっと甘くてジューシーな品種が出回るにしたがい、素朴な味の千両梨はその姿を消してい行くのでした・・・。
現在ではほぼ北海道の余市町でしかつくられていません。
「かつては北海道の庭先でよく育てられていた」
「素朴な味」
というあまりポジティブではない事前情報を得つつ、さっそく食べてみます。
切った感じは結構硬くて、ナイフの刃先にゴリゴリした感覚が伝わってきます。
表面はぱさっとしていて、嫌な予感・・・
これで1/2個です。
食べてみると、
甘味は控えめ。
シャリシャリというよりは新鮮な大根に近いような食感。
意外と・・・
おいしいです・・・・
大きいので食べる量が多いんですが、甘さがくどくないので食べ飽きしない感じ。
最近の果物も野菜も、甘く品種改良されてて個人的には甘ったるくていやだなあと思う事があるんですが(トマトとか特に)、そうゆう甘い世代に中指を立てているような味でした。
爽やかで個人的には好きです。見かけたらまた買います(安いし)。
コンポートとかに加工しなくても美味しと思います。
ちなみに千両梨は、追熟が不要なので、緑のうちがたべごろです。
10月中しか出回らないので、見かけたら挑戦してみてくだされ。