「自分の住んでる町の振興局がどこかわからない」
そんな道民も多い(実感)ですね。
別に知らなくてもいいやーって方も、この頃の報道でなんとなく気になっているのでは・・・
というわけで、本日は北海道の振興局について書きました。
そもそも「振興局」ってなんだ?
って話になるんですが、これは行政区画の一種です。
つまり国やお役所の仕事をスムーズに進めるための区域わけですね。
むかしは「支庁」と呼ばれていた時代もありました。
北海道は広いので、エリアを分ける名称は「道央、道南」や、「○○地方」などいくつか種類がありますが、「○○振興局」とエリアわけされている場合は、「あ、お国の仕事がからんでるんやな」と理解していただければいいと思います。
また、天気予報でも同じ呼び方を使うので覚えておくとお得です。
これが北海道の振興局だッ!
図で見てもらったほうがわかりやすいですね。
赤星印が札幌市です。札幌は「石狩振興局」に属してます。
(図が小さくなっちゃうんで択捉島はカットしてますあしからず・・)
あ、もしかして漢字が読めないという方もいるのではないでしょうか。
恥ずることはありません。読めない道民もいますから・・
よみがな 太字はむずかしいよ
空知(そらち)総合振興局
石狩(いしかり)振興局
後志(しりべし)総合振興局
胆振(いぶり)総合振興局
日高(ひだか)振興局
渡島(おしま)総合振興局
檜山(ひやま)振興局
上川(かみかわ)総合振興局
留萌(るもい)振興局
宗谷(そうや)総合振興局
オホーツク総合振興局 これは読めますね。かつての網走支庁。
十勝(とかち)総合振興局
釧路(くしろ)総合振興局
根室(ねむろ)振興局
ではどんな市町村で構成されているのか見ていきましょう。あなたのまちの振興局はどこに。
ちなみに太字は振興局の所在地。
空知総合振興局
夕張市 ・岩見沢市 ・美唄市 ・芦別市 ・赤平市 ・三笠市 ・滝川市 ・砂川市 ・歌志内市 ・深川市 ・南幌町 ・奈井江町 ・上砂川町 ・由仁町 ・長沼町 ・栗山町 ・月形町 ・浦臼町 ・新十津川町 ・妹背牛町 ・秩父別町 ・雨竜町 ・北竜町 ・沼田町
「日本で人口の少ない市」のトップ4を独占するエリア。
かつて炭鉱で栄えた市が多いため、炭坑全盛期に日本でも指折りの人口を抱えるも、炭坑閉山とともに人口が激減した市が多いのが原因。森林や山が多く自然が豊かで米どころも多い。
「空知」とひとくくりにされていますが、北空知は旭川や富良野と仲良しで山や川が多く、南空知は札幌と仲良しで平地が多いという真逆の印象です。
「銀魂」のおかげで、道外でも”空知”を読める人が多くなりましたね。
石狩振興局
札幌市 ・江別市 ・千歳市 ・恵庭市 ・北広島市 ・石狩市 ・当別町 ・新篠津村
最も人口が多い振興局です。もちろん札幌市のおかげ。
200万都市の札幌、北海道では珍しく人口を増やしている江別、恵庭などいいメンツばかりのイケイケエリア。
ちなみに「石狩振興局」という名前なのに所在地は札幌にあります。
札幌市が入っているのに「総合振興局」ではなくなぜ「振興局」かというと、
札幌が「振興局」に入ることで、振興局に格下げなんてなんてやだ!と反対する他の市町村を納得させるという思惑があったと考えられています。(当初は総合振興局の下位組織として振興局が作られる予定だった)
でも札幌は政令指定都市なので単独でいろいろ決定できるんで、別にどっちになろうと札幌にとっては関係ない気が・・。
後志総合振興局
小樽市 ・島牧村 ・寿都町 ・黒松内町 ・蘭越町 ・ニセコ町 ・真狩村 ・留寿都村 ・喜茂別町 ・京極町 ・倶知安町 ・共和町 ・岩内町 ・泊村 ・神恵内村 ・積丹町 ・古平町 ・仁木町 ・余市町 ・赤井川村
「市」が含まれているのに振興局所在地が「町」にあるというめずらしい振興局。
管内の人口の半分以上は小樽市が占めています。
ニセコ、蘭越、留寿都などの森林はどんどん外国に買われているドキドキエリア。昔はオーストラリアだったんだけど、今は中国やタイの方がどんどん買ってる様子。
北後志はあまり雪がふりませんが、羊蹄山麓の周辺は超豪雪地帯です。
面積的には山梨県よりちょいとおおきいくらい。
胆振総合振興局
室蘭市 ・苫小牧市 ・登別市 ・伊達市 ・豊浦町 ・壮瞥町 ・白老町・厚真町 ・洞爺湖町 ・安平町 ・むかわ町
所在地は室蘭市ですが、人口が一番多いのは苫小牧市。
火山や湖がたくさんあるとこで、実は海産物がうまい。
むかわ竜(カムイサウルス)の生まれ故郷。
「胆振総合振興局を立ててみると犬っぽく見える」ということから、いぶりONEなる犬のキャラが存在します。
いぶりONEには息子のいぶりONE-Jrなる犬がいるらしいが設定がよくわかんない。
とにかく犬たちは胆振地域で起きた地震の復興のお仕事もしてるので応援したげてください。
日高振興局
日高町 ・平取町 ・新冠町 ・浦河町 ・様似町 ・えりも町 ・新ひだか町
北海道の馬産地が密集している競争馬ファンの聖地。
構成市町村に「市」がない振興局です。
面積は、4,812㎢で福岡県や和歌山県と同じくらいのおおきさ。
渡島総合振興局
函館市 ・北斗市 ・松前町 ・福島町 ・知内町 ・木古内町・七飯町 ・鹿部町 ・森町 ・八雲町 ・長万部町
ほとんどの人口は函館市周辺に集中。
当初このエリアは「道南総合振興局」という名前で、檜山振興局を下位組織にするはずだったけど、檜山振興局など「格下げ」対象の市町村からめっちゃ反発がでました。
で、2009年に条例が改正され、振興局は総合振興局と同等の地位(地方自治法上の支庁)とされました。
新幹線が通ってるけど道民はあんまり気づいていない。
檜山振興局
江差町 ・上ノ国町 ・厚沢部町 ・乙部町・奥尻町 ・今金町 ・せたな町
こちらも「市」がないエリア。
14振興局の中で人口が最も少ない(面積が最も小さいのであたりまえですが)
真ん中へんにかつて存在した「熊石町」が八雲町にスカウトされ、渡島総合振興局へ渡ってしまう。
熊石町は八雲町に吸収され(飛び地合併)、画像の通り檜山振興局は南北に分断されてしまったのでした・・・・
上川総合振興局
旭川市 ・士別市 ・名寄市・富良野市・鷹栖町 ・東神楽町 ・当麻町 ・比布町 ・愛別町 ・上川町 ・東川町 ・美瑛町 ・上富良野町 ・中富良野町 ・南富良野町 ・占冠村 ・和寒町 ・剣淵町 ・下川町 ・美深町 ・音威子府村 ・中川町 ・幌加内町
北海道第2の都市旭川を筆頭に大所帯をかかえるエリア。とはいっても札幌から遠いので雰囲気は全然違います。旭岳を筆頭に大雪山系や夕張山系がそびえ、山あり谷あり、大きな川が流れる表情豊かな地域です。
面積は約10,600㎢で岐阜県とおんなじくらいのおおきさ。
このうち幌加内町は、支庁時代には空知に属していましたが改変に伴い上川へ仲間入り。
渡島総合振興局と同じく、当初は「道北総合振興局」になり下位組織をおく予定でしたが、これまた格下げ対象の市町村から猛反発をくらい現在の姿になりました。
留萌振興局
留萌市 ・増毛町 ・小平町 ・苫前町 ・羽幌町 ・初山別村 ・遠別町 ・天塩町
面積の割に人口が少なく、檜山振興局に次いで人口の少なさ2位。
炭鉱やニシン漁などの漁業で栄えた一帯ですが、閉山と不漁でその後の人口が減少した様子。まだ夏の娯楽が海水浴しかなかった時代には、このエリアの海水浴場が大変賑わっていました。
留萌市は振興局所在地でもっとも人口が少ない市。数年前にぶらぶらしたけど、町中の寂れた感じもまた良いものでした。
「なつぞら」にすっかり押されてみんなNHK朝ドラ「すずらん」のことなど忘れてしまっていると思うけど一時期はロケ地として増毛町は大変人気に。あと「駅 STATION」とか・・。
宗谷総合振興局
稚内市 ・猿払村 ・浜頓別町 ・中頓別町 ・枝幸町 ・豊富町 ・礼文町 ・利尻町 ・利尻富士町・幌延町
利尻島、礼文島を含む北海道の最北端エリア。西をみれば日本海、東をみればオホーツク海、北に望むはサハリン。
スーパーで海産加工品を買うと産地はだいたいこの辺りになっています。
昆布で有名な利尻島、礼文島もこのエリア。
最北だけあって夏になっても気温が30度を超えることがあんまり無いのでうらやましいです。
セコマの豊富牛乳はこのあたりからやってくるのね・・
オホーツク総合振興局
北見市 ・網走市 ・紋別市 ・美幌町 ・津別町 ・斜里町 ・清里町 ・小清水町 ・訓子府町 ・置戸町 ・佐呂間町 ・遠軽町 ・湧別町 ・滝上町 ・興部町 ・西興部村 ・雄武町 ・大空町
なぜかここだけカタカナで、昔は「網走支庁」と名乗っていました。
これも市町村がすったもんだした結果、流氷も来るしこのへんのイメージにぴったりだよねってことでついたらしいです。砕氷船ガリンコ号もこのエリアにありまして、いつか行ってみたいです。
流氷で有名だけど、内陸側は木材の方が有名だったりします。
十勝総合振興局
帯広市 ・音更町 ・士幌町 ・上士幌町 ・鹿追町 ・新得町 ・清水町 ・芽室町 ・中札内村 ・更別村 ・大樹町 ・広尾町 ・幕別町 ・池田町 ・豊頃町 ・本別町 ・足寄町 ・陸別町 ・浦幌町
面積10,831.62 km²と14振興局で最も大きい。
たぶんレバノン共和国がすっぽりはいるくらいです。
十勝地方で目を奪われるのは見えなくなるまで続く広い耕地。
北海道でもここほど広い土地を使った畑はありません。農業の機械もアメリカの映画にでてくるような超デカいやつをつかってて圧倒されます。
お米はあんまり作ってないけど、小麦、じゃがいも、豆類をたくさんつくってて、みんなが食べてるあんこの原料の小豆はほとんどここ出身。
酪農も盛んで、これまた広大な面積で牛を飼っている。
おそらく本州の人が考える、北海道の農家や酪農家のイメージは十勝地方にあると思われます。
みんなだいすき「なつぞら」のロケ地。
釧路総合振興局
釧路市 ・釧路町 ・厚岸町 ・浜中町 ・標茶町 ・弟子屈町 ・鶴居村 ・白糠町
冬は雪が少なく暖かいし、夏は涼しい。そして霧が多い。
「釧路湿原」「別寒辺牛湿原」「霧多布湿原」の3つの湿原があり、固有の植物や、タンチョウ、オオハクチョウも多く生息する(あと湖にマリモ)
「釧路市」の横に同じ読み方の「釧路町」があるという珍しい場所です。
根室振興局
根室市 ・別海町 ・中標津町 ・標津町 ・羅臼町
霧とミルク、そしてチーズ王国(個人的見解)
北海道の最東端であり、一部の道民あこがれの地(札幌からは車で片道6時間以上かかる。ある意味函館や稚内よりも遠い)
野付半島、知床半島などなど秘境がいっぱい。チーズもおいしいところ。
今までは人の流入も少なく最後のディスカバリー北海道って感じだったけど最近は観光客がめっちゃ増えて心配してますよ。
なんとなーくどこに何があるかわかりましたねー。
このエリアわけは天気予報なんかにも使われていますが所詮お国が線引きしたものですから、広大すぎて天気予報には向かない気がしますね。
これも時代と共にいずれ変わっていくんでしょうが、今はとりあえずこんな感じです。