どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

北海道初とか最古の○○がやたら函館に多い。

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北海道で一番歴史があるのは札幌かなー、

と思ってる人も多いけど、そういうわけでもない。

 

地理的に当然だけど本州に一番近い辺りからだんだんと文化的なものが浸透していって、港もできて海外の文化も真っ先に押し寄せる。

なので明治大正くらいまでは函館周辺は「北海道の文化最先端」だった。

 

そういう経緯もあって、函館をぶらぶらと歩いていたら「北海道最古のナントカ」がやたらと出てきたので並べてみる。

 

 

 

 

北海道最古のエレベーター

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北海道最古のどころか、実は東北以北最古のエレベーターです。

 

このエレベーターは「函館市地域交流まちづくりセンター」という建物内にあります。

かつては丸井今井百貨店(北海道外の方はご存じないかもですが、北海道に昔からあるデパートです。)函館支店だった建物です。

 

▼まちづくりセンター(旧丸井今井)

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1923(大正12)年、丸井今井百貨店として、この場所に3階建ての建物が完成。

1930(昭和5)年に5階建てに増築された際、最初のエレベーターが設置されます。

そのエレベーターは東北・北海道で最も早く設置されたエレベーターだったそうだけど、昭和9年の函館大火によって内部は全焼。

 

火事の後に改修が行われて、エレベーターも再建された(これが今のこってるやつ)

 

手動式の操作レバーで上昇下降するが、実は現役のエレベーターで、 施設スタッフに見学を申し出ると最上階まで一緒に乗ることができる(乗ってないけど)

細部のデザインが素敵化していて、当時超高級なマシーンだったんだなってのがよくわかる。

 

ちなみに東洋オーチス社製。
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東京のデパートにエレベーターが設置され始めたのが1920年代だったことを考えると、1934年に函館に設置されたってのは全国的に見ても早い方でしょう。東京のデパートに設置されたエレベーターのほとんどが今は撤去されていることなどを考えると、実際に動くこちらのエレベーターは大変貴重であるな。

 

貴重であるとはいえ、最古のエレベーターなど物好きしか見に来ないだろう・・とおもっていると結構人がくるのですよ。

なぜかというと函館が誇るバンドGLAYの写真集にここが使われたという事で聖地になっているらしい。右端に写っている女性が持ってる写真にちょっと写ってるんだけど、このエレベーターの横でHISASHIさんがポーズしてるのがわかります。

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これは玄関のシャンデリアがすてきやなーと思って撮ったのですが、このへんではTERUさんの撮影があったみたいでファンの方がたくさんいました。ふむ。

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北海道初のコーヒー焙煎機

北海道初のコーヒー焙煎機が置いてあるのは「函館美鈴」本店の前。

札幌にもあるあの「美鈴」の本店です。函館発祥のお店だったんですねー。

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焙煎機は1935(昭和10)年製だそうです。

コーヒー焙煎機は1860年代には今とほぼ変わらない姿になってたんで、この焙煎機も100年近くたってはいますが、カフェなどで見かける焙煎機と同じような構造になっとります。

写真では見ずらいですが、右端にベルトとモーターが付いていて、これでドラムを回す仕組みです。

 

「美鈴」の創始者は函館生まれの鈴木武二という人で、1932年(昭和7)函館の栄町に「鈴木商店」というお店を開業します。

鈴木商店の当時の写真を観てみると、お店には「コーヒーと洋食器」という看板が掲げられていまして、当初からコーヒーの取り扱いをしていたみたいです。

「鈴木商店」はその後、1946年に喫茶店「美鈴」として開業。現在に至ります。

 

実は「美鈴」は北海道初のコーヒー焙煎店でもあります。

じゃあそれまで函館の人はどうやってコーヒーを飲んでいたのか?というと、

「コーヒー粉を木綿の袋に入れて何回も煮出して抽出する」という、番茶か麦茶かよっていうひどい方法で飲んでいました。これはおいしくないでしょうね・・

というわけで、焙煎して1杯ずつ淹れようよって今では当たり前の飲み方に初めて取り組んだお店が美鈴といわれています。

 

 

 

 

北海道最古のコンクリート電柱

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これも北海道最古っていうか日本最古のコンクリート電柱であります。

1923年(大正12)に造られて、今なお現役という素晴らしさ。

 

 以前のエントリでとりあげてるんで、詳しく見たい方はこちらへどうぞ↓

dosanko-camera.hatenablog.com

 

 

 

 

北海道初の女子修道院

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これも北海道初というか、日本初の女子修道院ですね。

修道院ってのは、世の中から離れて神の教えを学ぶ場所であります。

トラピスチヌ修道院は、1898年 (明治31)、フランスのウプシー修道院から派遣された8名の修道女によって創立されました。

 

修道会にもいろんな種類があるんですが、こちらは「厳律シトー修道会」という修道会で、祈りと労働っていうのに重点をおいています。なので、労働の一環として海外ではビールや乳製品なんかを製造しています。

函館のトラピスチヌ修道院で有名なのは「マダレナ(焼き菓子)」や「バターあめ」なんですが、2013年にバターあめの製造を終了しちゃったそうで残念。

酪農の仕事も100年近く続けていたそうなんですが、それも終了したそうで時代の流れを感じたり。

今も修道女の方が生活していますが、見学することができます。

 

さて、じゃあ日本初の男子修道院はどこか?というと、これまた北海道です。

函館の隣町、北斗町にある「トラピスト修道院」です。

あのクッキーで有名な修道院です。

 よくトラピスト修道院は函館にあると思ってる方がいるんですが、隣町の北斗市という場所にあります。

1896(明治29)年創設された日本初のカトリック男子修道院です。

こちらは女子修道院と違って結構な山の中にありまして、ヒグマが出るような場所だそうです・・

外からの見学や売店は誰でも自由にいけますが、内部見学は男性のみで予約しないといけないそうです。いつかいってみたい。

 

 

北海道最古のストーブからの北海道最初の造船所

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 日本最古のストーブがある!ということで末広町の「箱館高田屋嘉兵衛資料館」に行ったんですけど、展示されてるのはレプリカだったんで興味を失ってしまいました。

ふと資料館の横を見ますと「高田屋造船所跡地」と書いておりまして、錆びた錨が展示してあります。

実はこの場所、北海道最初の造船所「高田屋造船所」の跡地だったのでした。

高田屋っていうのは江戸後期の豪商・高田屋嘉兵衛でして淡路島出身の方だったんですが函館で財を築き、私財を費やして函館の公共事業に大きく貢献した人です。

ロシアとの外交問題に関わったりとかなり影響力のある人物でした。

 

この造船所で続 豊治という人が船大工として働いていたんですが、彼は1857年(安政4)西洋型帆船「箱館丸」を建造しております。これは日本初ではないんですが、洋式船の構造を無断調査しようとすると捕まっちゃう時代だったんで(続さんは捕まった)割と早い段階だったと思います。

 

あ、ちなみにストーブは1856年(安政3)に梨本弥五郎と武田斐三郎という人が、当時停泊中のイギリス船に乗り込んで頑張ってストーブをスケッチした結果誕生しました。

「初めて」は誰かの頑張りによって誕生してるんですね・・