室蘭(むろらん)市に行ってきた。
札幌から車で約3時間。場所はこのへん
もう少し拡大すると、こういう馬蹄型になっていて三方を海に囲まれた町だ。
天然の良港であったため、かのペリー艦隊が来航したり、明治時代には既に外国貿易の「特別輸出港」に指定された。
日本で初めて外国資本(イギリス資本)を導入した「日本製鉄所」が作られ、「鉄のまち」と呼ばれる。
最盛期には18万人の人口を誇ったそうです。
この旅の目的は2つ
・室蘭やきとりを食べる
・工場夜景を撮る
の2つであります。
室蘭の商店街はシブい。
夕方室蘭に到着した僕は、名の通った某ホテルに宿泊することにいたしました。
入ってみるとホテルの駐車場の料金ゲートは壊れたままブルーシートに包まれ、ホテルの壁はボロボロ。窓枠はガビガビ。
思わず車中で「ぼろい・・・」とつぶやきホテルへ向かいました。
ロビーだけ昭和の高級ホテルのようなそのホテルの部屋は想像とは裏腹にわりと小奇麗でした。しかし壁にはコーヒーが飛び散ったまま、廊下の非常灯の上はホコリがこんもりと溜まり、エレベーターのボタンは触るのを憚られるほど手垢がついておりました。
ちょっと拭けばいいだけなのに・・・
自分の職業が掃除人であったなら、まちがいなく雑巾と洗剤を買ってきて勝手に掃除するだろうなという事をかんがえつつ、「室蘭やきとり」を食べに夜の街へ繰り出したのであります。
周囲の商店街の渋さは想像以上でした。
ほとんどが空き物件だったり廃屋のままだったり。
その中でも営業しているお店は、逆に目立ちます。まぶしいくらい。
昔ながらの化粧品屋や、花屋さんなど。
いずれも後を継いだのか、若い人が頑張っていた。
懐しい「レコード屋」発見。良い感じの雰囲気。
時間があれば入りたかった。ずっと音楽が響いていた。
この商店街には放送局が完備されている。
室蘭やきとり
室蘭には「室蘭やきとり」という名物がある。
お店を探しに行く。これまた素敵な雰囲気。
今回は、勘でこのお店に決めた。
おばあちゃんがたったの2人で切り盛りしている。お客さんはあれよあれよと増えだす。
カウンターに座ったけど、なれなれしくなくて居心地が良かった。
そしてこれが室蘭やきとり!
うまい。
豚串とはちょっと違う。
室蘭やきとりの特徴は、鶏肉ではなく豚肉を使うこと、甘じょっぱいタレがつけられ、洋カラシがセットでついてくる。それから長ネギではなくタマネギを使うのも特徴。
ちなみに豚肉じゃなくてレバーやポンポチであっても、この条件を満たせば「やきとり」と呼ぶ。
寿司ネタが牛肉であっても「寿司」と呼ぶようなものだろうか‥‥
なんで豚肉を使うかというと、
昭和12年の日中戦争時、食糧増産のため農家が豚を飼うようになった。
それから数年後には軍靴に豚皮を使うようになり、軍が養豚を奨励。豚の皮と肉以外は食べてもよいことになり、屋台などで豚モツ(内臓)が売られるようになり、豚食文化が定着したそうだ。
玉ねぎは北海道で初めて食用栽培されたので、手に入りやすく安いこと、豚肉と相性がいいことから使われるようになったらしい。
(洋がらしはどこからきたんだろう?)
ご当地グルメにはハズレが多いけど、「室蘭やきとり」は当りだった。また食べたい。
ちなみに何軒かお店をまわったけど、ネットの口コミほどあてにならないものは無い。
室蘭の夜景撮影
100年以上も前からこの町では製鉄業が始まっていた。おそらく北海道内でも最大級の工場地帯だ。
工場夜景の美しさは「日本五大工場夜景」にも選ばれている。
・・・
意気込んだものの、撮影場所が全然見つからない。
24時間稼働している工場があるんだけど、そのまわりをぐるぐるして夜が更けてしまった。そして極め付け
三脚忘れた!
(手持ちでとった苦心の作品)
大きな橋は「白鳥大橋」、左にぼんやり見えるのがJXTGエネルギー室蘭製造所。
この工場は1956年に当時の日本石油精製が稼働を始めた。90年代には1日に原油約20万バレルを処理しガソリンなどを作る一大拠点となったが、石油製品需要の減少を受けて2014年に石油精製を停止。
さらに2017年に工場閉鎖を正式に発表した。
この夜景もいつまで見られるかわからない。