名古屋発祥の「コメダ珈琲」
なぜか長い間北海道には出店していなかったコーヒーチェーン店、「コメダ珈琲」。
一部のファンからは今か今かと来道が待ち望まれていましたが、2016年、北海道第1号である札幌店が開店。徐々に出店数を増やしていっています。
どうやら20店近くまで増加させる計画があるらしいとか。
で北海道は今どんな感じかっていうと、みんなコメダに夢中。かなり田舎に行っても「コメダ行った?」みたいな話が聞かれるくらいですよ。当のコメダの方も満員御礼で、土日となれば空席待ちのお客さんが出るくらい。道民は名古屋式喫茶店の術中におちたぞ。
行列に並ぶのは嫌だ・・・
そんな一心で長らくコメダ珈琲を避けていましたが、このたび機会があって初コメダしてきました。
実際に行ってみてヒットの理由がわかったような気がします。
ファミレスを喫茶店にしたようなつくりですね。
コーヒーが意外とおいしかった。
コメダのコーヒーはあまりおいしくないと聞いていたんだけど?
噂のみそカツサンド。大変大きくていらっしゃいます。
紳士的なおじさんがいっぱいいたので無駄に撮る。
これが噂のお茶請け「カロリー豆」です。
北海道での人気の理由は3つです。
「居心地いい」、「おいしい」、「新しい」 以上。
・居心地いい
コメダの赤いソファー、座り心地がいいよ。
赤いソファ&木材石材の壁はなんだかおちつく。
木の壁はよく見ると施工が雑なんだけど、たとえハリボテでも店内のデザインは統一感があるほうがいい。散らかった部屋で落ち着かないように、インテリアやデザインって精神的に影響ある。と若いころより最近思う。
つまり一般的なカフェは回転率を上げることに力をいれるわけですが、コメダの場合、長居オッケーみたいな雰囲気が醸し出されていると感じた。居心地良いってことは長居しやすいってことですからね。
あと客層が広いので殺伐とした感じが無いっていうのがいいよ。
・おいしい
どうせチェーン店のコーヒーだと思ってたんだけど意外とおいしい。コメダのコーヒーはあんまりって話だったので、たまたまアタリだったのかもしれないけど。
シロノワールは一回食べればいいかなって感じだけど温か冷たくて面白かったし、子供なら来るたび食べたくなるんじゃないかな。
ミソカツサンドもそれなりだったけど、あの大きさはみんなでシェアできるってのが一番の狙いのような気がする。
・新しい
北海道民の特性「あたらしもの好き」
新商品をまず札幌に投入してマーケティング調査をするという手法は結構有名。新しもの好きの道民がコメダに飛びつかないはずは、無い。
コメダが来るまでの北海道のコーヒーチェーン店事情
北海道のコーヒーチェーン店を大きく3つに分けてみました。
・シアトル系コーヒーチェーン店
おそらく北海道のチェーン店の中で、最も数が多いと思われる。
どちらかというと一人客、若い人が利用するお店。
一番の問題はいつも混みすぎていること(特に札幌中心部ね)。あと家族連れはあまりウェルカムじゃない。
・ サンドイッチが売りのコーヒーチェーン店
わりと札幌以外にもお店を出している。出店数は道内で2番目くらいかな?シアトル系のお店より安いのが魅力で、気取った感じもないので入りやすい。
入りやすい一方、わざわざ行くというお店でもなく、ちょっと飽きがきているかも・・
・北海道発のコーヒーチェーン店
こう書くと札幌の方なら2つお店を思いつくと思います。僕は結構好きで両方使っているのですが、1つは札幌市外にお店が無いので、近隣以外はあまり知名度が無い。あと良くも悪くも喫煙者に気を使わなくて済む。
そしてこの盲点を突いてきたのがコメダ珈琲。
たぶん上の3つはカフェから派生してるんだけど、コメダはファミレス寄り。
老若男女人数問わずオールオッケー的な雰囲気。
じゃあびっくりド〇キー行けばいいんじゃないんですかって話になるけど飯食いに来てるわけでは無いんだな。この場合の「飯」の概念もド〇キーで食うのと意味合いが違って、腹一杯になることが目的ではなくあくまでトーストを中心とした「軽食」やコーヒーと食べたい「甘いもの」がメインになっていることに注目したい。
例えばカレー屋でコーヒーだけ頼んで帰るのって気が引けるじゃないですか。
ファミレスはあくまで食事をするのがメインで、コーヒー飲んでまったりするとこでは無いんですよ。
あと名古屋は独自の喫茶店文化がある。コーヒー1杯程度の値段でコーヒーにがっちりした朝食がつく「モーニング」文化は名古屋が発祥。
ほんとかどうか知らないけど名古屋の人は休日に家族でモーニングを朝食にするらしい。これが本当だとしたら、名古屋の「喫茶店」ってのはずいぶん生活に密着して、ほんわかしている。こっちではそういう使い方はしない。
つまり今まで北海道には、コーヒー片手にファミレス的にくつろげるスペースが少なかった。
北海道の多くのコーヒーチェーン店が都会的でオシャレな空間、斬新なフードを提供する中、どこか懐かしい赤いソファとお茶請けの豆を携えて、家庭的なコメダがやってきた。NYの片隅でカフェやってる感に疲れたり飽きたりした客は、ちょっとほんわかしたくなるんじゃないだろうか。
僕はどちらも好きだし、選択肢が増えるのは客として良いことだと思う。