「札幌大球」というキャベツをご存知だろうか。
通常のキャベツは1玉せいぜい1㎏程度である。
しかし札幌大球はなんと1玉8~20㎏もある!
超巨大キャベツなのだ。
その「札幌大球」を友人がゲットしてくれたのでここにご紹介しよう。
これでーす
ってこれでは大きさが伝わらないな。
比較のために普通のキャベツも買っておこうと思ったのだけど、いざ実物を目にして
「もうこれ以上うちにキャベツ増やすのやばいな」と思ったので比較用キャベツはありません。
すでにこいつは冷蔵庫のどこにも入らない大きさです。
外側の葉っぱを取り除くため包丁を用意。
なんだか包丁がいつもよりちんまりしています。
葉の一枚がでけえよ
スマホと比較。
これでロールキャベツをつくるとしたらハンバーグくらいの大きさの肉を入れなきゃいけないかも・・
でーん
まっぷたつに。すいか割りしてるような手ごたえ。
茎がめっちゃ堅い!
半分にしたところで、まだ冷蔵庫に入らない大きさ・・
この量を常温に置くのはやばいので全部切って保存します。
ざくざくざくざくざくざくざく
ジップロックLサイズ3袋、27㎝のボウルに山盛り1杯の千切りキャベツができました。1玉からこの量ができるんですよ・・
ちなみにボウルの分だけでお好み焼き6枚分できました。
ほんとにお腹がはちきれる量だったよ。
味は特に普通のキャベツと変わりないです。
加熱すると甘味が出るんだけど、歯ごたえがそんなにないのでお好み焼き向きじゃないかも。
(札幌大球の普及のためにお好み焼き「風月」が札幌大球を使ってるので大きな声ではいえませんが・・)
でも今回のキャベツ、「札幌大球にしては小さいほう」らしいので、大きいのはもーーっと大きいのです。
キャベツと北海道の歴史
日本でキャベツが作られるようになったのは明治頃からなので、実はキャベツって新しい野菜なのです。
今では野菜の定番って感じだけど栽培の歴史は浅い。
江戸時代から伝わっては来てたんですけど、「みんなが食べるために日本で栽培してみよう」ってなったのは明治に入ってからでした。
で、海外から来た野菜を試験的に栽培していたのが主に北海道。
野菜だけでは無くて、それまで日本ではあまり飼われていなかった羊を飼育したり、乳製品を作ってみたりと、とにかく北海道は気候も地形もイマイチわからないからいろいろやってみようという雰囲気がありました。どうやら米はあんまり向いてないみたいだし、どんな作物が北海道に適してるか見極める必要があったんですね。ざっくりいうと試験場です。
なので、ジャガイモ、タマネギ、キャベツとか今ではメジャーな野菜も当時の日本ではあんまり栽培されていなくて、明治時代になってからそういう野菜を北海道でどんどん扱うようになります。
そんななか、1871年に七飯開墾場(函館の近く)と札幌官園でキャベツ栽培が始まり、海外からいろんな品種が輸入されました。
当時の北海道開拓使が発行した文献を観てみますと、キャベツの他にカリフラワーやメロン、ラディッシュなんかも育ててるみたいです。
ちなみにキャベツの食べ方については「生で刻んで酢と塩を加え焼いた卵と食べる」「肉と煮て食べる」というあまりワクワクしない調理法が紹介されています。
で、だんだんとキャベツ栽培が広まるなかで、なぜか札幌では大きな品種が好まれたのかそれが土着し、「札幌大球」という品種になったわけです。
札幌大球はいつまで見られるのか
まあキャベツが根付いて札幌特有の品種が生まれたのはわかったんですけど、あんなに大きな品種が好まれた理由がイマイチわかりませんね。
冬の間は野菜がとれないので、冬のビタミン源としてキャベツが重宝されたというのはわかるんですが、別に大きくなくてもいいような・・・。そのへんは謎です。
大きいだけあって、収穫が超大変です。
20キロの作物収穫ってそれ筋トレだもんね。
なので生産している農家さんが大変少ないのです。消滅の危機です。
2020年現在、札幌市内の生産者は4戸しかいないそうです。
肝心な食べ方ですが、札幌大球を買う人はほとんど漬物用に買っています。
あれを巨大な漬物樽に入れてニシン漬けとかにするんですね。最高。
でも今では漬物を大量に漬ける人も減ってきてるんですけどね。
(大人になってから手作りの漬物って食べてないかも)
札幌大球は10月~11月上旬くらいに札幌市内や近隣のスーパーの店頭に並びます。
スーパーの店頭に大球が山積みにされると、冬が来るのだなあと感じたものですが、この光景はいつまで見られるのでしょう・・