美唄市にある「安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄」にやってまいりました。
廃校になった小学校を中心とした広大な敷地に、彫刻家である安田侃の作品がちりばめられている屋外美術館です。
美術館のある「美唄市」はこのあたり。
こないだも書きましたが、美唄市はかつて炭鉱で栄えた町です。かつては大勢の子供がいたため、大きな小学校がありました。
炭鉱閉山とともに小学校も閉校となりますが、その跡地に作られたのがアルテピアッツァ美唄であります。
彫刻家の安田侃(やすだ かん)さんは、美唄市出身で、現在はイタリアで活動中です。美唄市の鉄道員の息子として生まれ、幼少期を美唄駅前で過ごしました。
安田侃さんのこの穴が開いた石のような彫刻、みなさんはおそらくJR札幌駅の南口コンコースで目にしているはずです。
よく待ち合わせで使われるあの彫刻は「妙夢」というタイトルでして、白い大理石で作られています。
実は札幌市内のいたるところに安田さんの彫刻が点在していて、身近な彫刻家でもあります。
さて敷地が広大なんで、ぐるっとまわってみます。
奥に見える赤い屋根が旧体育館です。今はアートホールになっていて、時々コンサートも開催されています。なだらかな丘が美しいエリア。
こちらが旧小学校。1950年開校「栄小学校」という学校でした。
当時はマックスで1,250名も生徒がいて、主に炭鉱マンの子供が通っていました。
1981年閉校。
木造校舎の中に彫刻作品がぽつぽつおいてあるのですが、この雰囲気がたまらなく良いのですよ。
旧小学校の1階は「栄幼稚園」として利用されていましたが、2020年に残念ながら閉園となりました。
吹雪の日も元気に幼稚園に通う子供たちの姿は、安田さんにこの美術館へのインスピレーションを与えたそうです。
幼稚園だった痕跡はまだ見ることができます。入ることはできませんが、かつての教室に続く廊下、かわいいステッカー、懐かしいステンドグラスシール、組が書かれた看板、小さなトイレなどなど・・・
なにかこれらのエモさにハートをガシっとつかまれて、胸が苦しいです。
こちらは子供に人気の「水の広場」
文字通り水が川のように流れていたり、大きな池のような彫刻もあります。
水の音を聞きながら散歩するだけで、こう、自分の汚い部分が流されていくようですわー
池の中には、今では珍しいアメンボやカエルがいました。よく探してみましょう。
昔は無かったカフェもあります。「カフェ・アルテ」
時間帯によってはすごく混んでてうるさいのですが、静かな時に入れるとほんとにいい場所です。
草木の音、虫の声が聞こえてきて・・・しかもコーヒーがうまい。
自然の中でコーヒーを飲んでるというだけなんですが、自分に良いことしとるな~という感じが味わえました。
カフェの裏は「音の広場」というエリアですが、こちらに行くにはカフェで熊鈴を借りて行くことが推奨されております。
というのもこの辺りはヒグマの生息域だからです。
「音の広場」だけでなく、この地域一帯にヒグマが出ます。
昔だったら気にしなかったのですが、ちょっと怖いんでやめました。
今は以前よりかなり多くヒグマが出没しています。
こちらが熊鈴推奨の「音の広場」
遠くから眺めるだけにしましたが、十分美しいですね。
熊鈴を虫よけみたいに誤解している人がたまにいますが、別にヒグマは鈴の音が怖いわけじゃないです。鈴を鳴らして、人間がいることを先にヒグマに気づいてもらうためにつけています。この場合問題なのは、ヒグマが襲う気で来ている場合は熊鈴をつけようと大勢で歩いていようと襲われるだろう、という点でしょうね・・・
ちなみに虫はめっちゃ出るので虫よけスプレーはあると吉です。
ちなみにアルテピアッツァ美唄の入館料は無料なんですが、ここは寄付で成り立っています。
なんかいい感じやな~と感じた方は旧小学校の1階に募金箱があるんでじゃんじゃん入れてください。
というわけで、エモさと自然と芸術のちからでここに来ると個人的にはめっちゃ癒されます。ほかの人に効果があるかは知りません・・。
精神衛生保持のため月イチで通いたいくらいなんですが、日差しを遮るものがないんで真夏はしんどいかもですね。
自然の中にあるんで暑さ、虫、クマもおりますが、興味のある方は一度どうぞ。
では、また。