どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

小津安二郎展行ってきた

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北海道立文学館で開催されていた小津安二郎展に行ってきた。

今年で生誕120周年とのこと。

「東京物語」いいよねぇ

 

 

展示品はポスターなどがおおかったけど、最近発見された撮影風景のアルバムや、小津監督のトレードマークであるピケ帽子などが観られて良かった。

 

また、戦前は家庭用映写機的なものが富裕層の間では普及していて、それ用の短い映画が作られていたということも知った。その時代の小津作品を見ることは叶わないであろうが。

 

最近、今村昌平監督の「にっぽん昆虫記」をみたので、戦後が最近であった世代にとって、戦後がどういう時代として映っていたかというのが、興味のあるところであった。

 

にっぽん昆虫記はたしか1960年代に作られた。作中では戦前から戦後が描かれ、安保やデモが登場するが、おもしろいのは主人公の女性がそれらにまったく興味を持たないところだ。生きていくのに必死で。

 

小津監督の「秋刀魚の味」で、日本はなんで負けたんですかね、と同じ駆逐艦で兵役を務めた男二人がスナックで語り合うシーンがある。そこでは、やはり日本は負けて良かったのかもしれないね、みたいな話になる。

 

最近つくられた映画であれば、戦争は二度と起こさないと誓うとか、涙をながすとかいう脚本になってしまいそうだけど、負けて良かったという言葉に、なんとも言い難い複雑な感情が読めるのである。

 

今回の展示で知ったのだが、小津監督自身も出兵していた。

死体の山を見ても何も思わなかったそうである。映画をみて観客は笑ったり泣いたりするが、実際に自分がおなじシュチュエーションでその体験をした時、人間は意外に感情を出さないものだ。というようなことを書いていた。

 

戦後を経験した人間が残した創作物にこそ、何か学ぶことがあるんじゃないかな思いながら展示をみた。(別に戦争がメインの展示ではなかったんだけど。)親や祖父母でさえ戦争を知らない世代が作る戦争映画、ドラマ、っていうのはやっぱり生放送チャリティー番組をみているような感じに、知らずになっていくのかもしれない。

 

 

小津監督はグルメだったらしく、自作のグルメ手帳を作っていた。

小津監督は特に北海道にゆかりのある人物ではないが、今回の展示にあたり、なにか関連するものはないかと探した学芸員の尽力の跡が見れた。

小津監督は札幌からスモークサーモンをお取り寄せしていたのだった。

 

 

暑かったせいかこの日は熱中症のような感じになってしまい、頭痛で寝込んでしまった。

冷やしたスイカを食べたら良くなった。

 

みなさんもご自愛ください。

では、また。