北海道内だというのに11月になっても函館に雪は無い。なんて良い街なんだろうね。
函館は、北海道の中でも早い時期にキリスト教が伝わった地域のひとつでもあります。
教会もたくさんあるけど、歴史ある修道院もあります。
トラピスチヌ修道院に行ってみたよ。
公共交通でいくとちょっと不便なところにある。
正式には「天使の聖母トラピスチヌ修道院」。1898年に設立されました。
この修道院は「厳律シトー会」っていう、聖ベネディクトが作った戒律っていうのをきちんと守りながら生活する修道会に属しているんだよ。
修道女たちが生活している建物には入れないんだけど、外庭や資料館などは見学できます。おみやげも買えるよ。
庭の入口。手を広げているのはマリア像。
こちらはフランスからやってきた大天使ミカエル像。
わるいやつを踏んずけています。
ミカエルは天軍の総帥なので、剣を持って悪魔を踏みつけるというのは定番の型。だいたい男性のような姿で描かれて、だいたいイケメンです。
ミカエルの後ろの建物はお土産屋さんと小さな資料室。
修道女たちは自給自足が基本なので、お菓子や小物をつくってここで販売しているわけです。
お菓子といえば男子修道院の「トラピストクッキー」が有名ですが、
ここでぜひ買っておきたいのは「マダレナ」なる焼き菓子。
添加物は使わず、卵、砂糖、小麦粉、バターだけで作ったシンプルなもの。
修道女たちが手作りしているのでネットでは購入できないよ。
写真はふつうのマドレーヌ。マダレナも同じような貝の型で焼いたお菓子。
ネットでは買えないっていうのは、現代では付加価値だよねえ。
庭を歩いていくと「ルルド」が。
教会とかにもあるよね。
奥にいるのがマリア。
手前でひざまずいているのはベルナデッタ。
ベルナデッタが18回にわたり聖母マリアに会い、マリアのお告げのもと掘り当てた泉は様々な病気を癒した。いわゆるルルドの泉です。
それが起きたのが1858年。結構最近だね。
奥に見えてきたのは聖堂。修道女たちがいるところ。
この先は見学できない。
修道女たちはここで共同生活をしながら、毎日お祈りをしたり読書をしたり、お菓子なんかを製造しているらしい。
彼女たちの生活は、さきほどの資料室をみるとよくわかります。
壁にはジャンヌ・ダルク
修道女の鑑、聖テレジア。
一応、ここは観光施設ではなくて巡礼地なんだって。
だれでも入れる聖堂も園内にあって、お祈りできるようになってます。
間違えやすいのは、「トラピスト修道院」。これはお隣の北斗市にあります。
ここはトラピスチヌ修道院。
同じ厳律シトー会だけど、男子修道院はトラピスト修道院、女子修道院はトラピスチヌ修道院。
修道院はどんなところだろう、とトラピスト修道院を好奇心で見学しに行った男が、その光景をみてなんだか暗い気持ちになって函館を去る。という小説
南部修太郎「修道院の秋」。
というのありますが、
経験したことのない者から語られる言葉はただのイメージに過ぎないものです。
ちなみに、世の中が厭になったという理由での入会は許されていません。
自分自身は浮世においてもふわふわしているので、何にせよ自分の人生をかけるものを見つけた人は素晴らしいと思います。