どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

貸し切りにできる謎の美術館「HOKUBU記念絵画館」に行くなど

 

貸し切りにできる美術館があるらしい!!

ということで、HOKUBU記念絵画館(北武記念絵画館)へ行ってきました。

 

美術館で、人が多すぎて絵画に集中できないと思った事はないでしょうか。美術館を貸し切ってしまいたい!と思った事はないでしょうか。僕はあります。

 

そんなあなたの夢がここでは叶うのです。

こちらがHOKUBU記念絵画館。

金曜日と日曜日に、70分間貸し切りにできるのです。すごい。

 

 

 

ということで、どさんこカメラがこの建物を貸し切ったぞ!(とはいってもお値段800円。おさいふにやさしい・・)

 

今回はオンラインで予約をしておきました。

予約ちゃんと出来てなかったら気まずいし受付の人があれな感じの割合が最近は多かったりするからね~という不安が「今日予約してきたどさんこカメラですけどぉ・・」と情緒不安定な声になって出てしまったのですが、出てきたのはさわやかなお兄さんでそのような心配は杞憂であり、かわいいデザインのポイントカードをもらいました。

中に入るとコーヒーのサービスです。1名様2杯まででお願いします。

なんと・・・お茶菓子まであります。一人一個までです。

お菓子に合わせてコーヒーを濃い目に入れてくれています。利用料800円しか払ってないのにすみません。

 

こちらの建物は3階建てで、もちろんすべての階を貸し切りにできます。

電気代が高いのに800円でエレベーターを使ってすみませんすみません。

 

もうちょっと絵画があるのかと思ったんですが、意外に少なくて鑑賞というよりまったりする場所のほうが多かったです。

とにかくどの部屋にも椅子とテーブルがたくさんあります。

こんなに椅子があっても座り切れません。

 

 

好きにCDも聴いていいらしいです。だんだんこの施設の雰囲気がわかってきましたでしょうかね。

 

企画展もやっております。この料金も貸切の料金に含まれているため、時間の許す限りゆっくり鑑賞できます。

この日も何かやっていましたが、現代作家の方はよくわからず・・・・フームという感じ。

突然の本の陳列!

この建物を作った小西政秀という実業家の著作であります。

 

小西氏が作った北武グループという企業グループがございます。この建物は小西氏が個人的に収集した絵画を一般に公開する目的で建てられらそうです。

以前、ニトリグループが運営しているステンドグラス美術館を紹介したことがありましたが、資金力のある企業が美術関係にお金をかけてくれるのは嬉しいことですね。

dosanko-camera.hatenablog.com

ちなみに北武グループは食品の「北武フーズ」とか、「医療法人北武会」とか、ちょっと気にしてみると意外と目にする企業だったりします。

この美術館は、現在は北武グループから財団に運営を引き継いでいるそうです。

 

個人的にはここの図書スペースがよいですね。

名画の画集のほか、古めの美術手帳なんかもそろっていて読み放題であります。

僕が貧乏美大生だったらとても役立ったことでしょう。

 

 

 

小西氏が版画コレクターということで、もう少し版画の展示があるかなあと期待したのですが、時期的なものなのかちょっぴりしかなくて残念でした。

とはいえなかなか落ち着ける場所なので、興味のある方は公式HPを覗いてみてくだされ。

 

 

建物に入るとわかるのですが、ほとんど使われてない部屋を維持するのは贅沢と言えば贅沢な施設であります。企業側からすると美術関係というのは地域貢献という名目のわりに費用対効果が可視化されず、いわゆるカネになるものではありません。

コロナ下で皆さんわかってしまったと思いますが、美術のみならず音楽、マンガなどの娯楽は真っ先に切り捨てられます。

最近よく聞かれる、こんな施設誰が使うんだよ、無駄な金を娯楽に使うなよという「こんな」は実は社会の余白であり余裕であります。それが消えるとき、いよいよこの国はおしまいという感じです。

この建物には、90年代に感じられた世の中の余裕の香りがまだほのかに感じられ・・・いやしかしそれはただのノスタルジイ、もう幻なのかもしれません。

 

 

 

HOKUBU記念絵画館

札幌市豊平区旭町1‐1‐36

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