今の世の中で「野菜が売れる条件」とは何でしょう?
「価格」、もちろん。
「安全性」はもはや当たり前。
「味」も大前提です。
というわけで、新たに注目されるのが「機能性」であります。
野菜の機能性とはどういうことかというと、野菜にはご存知の通り健康に役立つ様々な栄養素があります。その栄養素の効果を、品種改良などによって高めた野菜が「機能性野菜」と一般的に呼ばれています。
例えば、「リコピン」がより多く含まれるトマト
「カロテン」がより多く含まれるニンジンなど。
国内の野菜消費量は減少の一途をたどっていますが、「機能性野菜」は消費者の関心が強い健康面に目を向けた新しい市場として盛り上がってきております。
大手種苗メーカーの「タキイ種苗」では機能性成分を多く含む野菜品種開発に力を入れ、「ファイトリッチシリーズ」というラインナップをそろえているほど。
そんな機能性野菜を食べてみましょう。という事で購入したのはこちら。
北見産たまねぎ「さらさらゴールド」です。
すごくでっかい。
タマネギの効果といえば「血液さらさら」。血流改善に役立っている成分は、タマネギに含まれる「ケルセチン」というポリフェノールの一種。ケルセチンは生活習慣病の予防効果があることでも知られているんだ。
このタマネギは品種改良を重ね、ケルセチンが通常のタマネギの2〜5倍ほど多いそうな。
タマネギなんかどれも同じだろうと思ってたんだけど、品種によってどうやらケルセチンの含有量は違うらしい。100種類以上のタマネギを調査した結果、中にはほとんど含まれていないタマネギもあったんだって。
切ったとこ。
皮はみずみずしくて手にすいつくかんじ。
値段が高いんだよね。サイズが大きいとはいえ、2玉で300円位。だいたい普通のタマネギの4倍くらいかなあ。
食べた感じは肉厚でおいしかったよ。生は辛めなので加熱した方がいいよ。
ベンチャー企業が作った玉ねぎらしい。
さてこの「さらさらゴールド」には姉妹品の赤い玉ねぎ「さらさらレッド」もある。
最初に作られたのはこちらの「さらさらレッド」で、栗山町という町だけで栽培されていた。
というのも栗山町と、栗山町にある「植物育種研究所」というベンチャー企業が協力して生産したらしい。
この会社の社長さんは北大農学部卒でデンマークでも勉強していた農学博士なんだってさ。
この赤いタマネギを作り出すのに200種類以上のタマネギを調査して、品種改良に5年もかかったそうだ。
で、こんどは北海道一のタマネギ生産地である北見市で栽培が始まったのが「さらさらゴールド」なんだね。この社長はその功績もあってタマネギ博士とよばれているそうだよ。
付加価値を付けないと売れなくなる・・?
危機はとりあえず去ったとはいえ、TPP問題で見られたように国の政策で国産野菜が脅かされる時代。関税撤廃されれば安い外国産野菜は入り放題。
今は食の安全安心が大事とか言ってる消費者も、安価な輸入野菜が入ってきたら、多少安全性がグレーゾーンでも飛びつくのが大多数に決まってる。
価格でも勝てない、安全性も味も二の次なんて時代が来たら、国産野菜はどうしたらいいか。
それは冒頭の話に戻るけど、やっぱり「機能性」、いけるんじゃないか。
どんな消費者でもてめえの体は大事だもんね。
販売先も一部のスーパーのほか、丸井今井や大丸など、百貨店に限定しているのも差別化のポイント。
さらさらゴールドの販売期間は11月から3月までを予定しているそうだよ。
スーパーでは見かける機能性野菜は、まだタマネギとトマトくらいだけど、
そのうちたくさんの種類が並ぶかもね。
機能で野菜を選ぶ時代が来るかな?