どさんこカメラ

北海道各地で撮った写真を掲載します。

北海道×本

「北の無人駅から」というノンフィクション本がすごく面白い。

手に取ってみて驚いた。厚さ4センチになろうかという分厚い本だ。 タイトルは『北の無人駅から』 北海道の6つの無人駅を題材にしたノンフィクションだが、なにも鉄道マニアだけを対象にした内容では無い。 駅というのは不思議な場所で、そこから物語が生ま…

小林先生の『恐竜まみれ』で発掘に行こう!

北海道大学教授・小林快次氏(以下小林先生)の「恐竜まみれ」を読んだのでご紹介。 著者である小林先生は日本を代表する恐竜研究者の一人です。 知らない人のために経歴をざっくりと以下に。 小林先生は福井県出身で、現在は北海道大学総合博物館教授&館長…

その女、イザベラ・バート~『日本奥地紀行』はタイムマシン~

日本人は畳を非常に誇りにしている。 だから心ない外人たちが、汚れた靴で畳の上に踏みこむようなことがあればたいそう困ってしまうのである。 不幸なことだが、畳には無数の蚤がついている。 〈イザベラ・バート著 『日本奥地紀行』より〉 こういった言い回…

北の歴史小説「静かな大地」を読んだ。

本屋でアイヌ模様の表紙が目に留まったので手に取ってみた。 背表紙より「(中略)アイヌの人々の努力と敗退、栄華と没落をえがく壮大な叙事詩。」とな。 ああなんだ。またよくある感じのやつでしょう、と思って本を戻しかけたら、著者は池澤夏樹じゃないで…

ヒグマ小説「ウエンカムイの爪」を読んだ。

「ウエンカムイの爪」のちょっとした感想。作者の熊谷達也はこの作品で小説すばる新人賞を受賞。 もうタイトルからして嫌な予感がする作品。 ヒグマをさすアイヌ語はいくつかあるけど、最もポピュラーなのは「キムンカムイ」で「山の神」の意。多くのカムイ…

ゴールデンカムイと手塚治虫「シュマリ」

最近、集英社の「ゴールデンカムイ」というマンガが流行ったおかげで、アイヌに関する情報が発信される場が増えてるみたいですね。 ゴールデンカムイ ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者: 野田サトル 出版社/メーカー: 集英社 発売…

北海道の影「アイヌモシリ・北海道の民衆史」

日本自費出版文化賞大賞を受賞した、「アイヌモシㇼ・北海道の民衆史」に続く本「続アイヌ・モシㇼ・北海道の民衆史」を読んだ。 続アイヌモシリ・北海道の民衆史【HOPPAライブラリー】 作者: 杉山四郎 出版社/メーカー: 中西出版 発売日: 2016/11/04 メディ…

違星北斗のこと。

お金と安定した生活とある程度の名誉が得られれば、たいていの人は最初の志はどこへやら、弛緩してしまう。 現在の到達地点が当初の目標とかけ離れていようとも、「ま、ある程度評価されているから。僕の言いたいことはそういう事じゃなかったんだけどまあい…

美女と冒険とヒグマ「夏子の冒険」

北海道が舞台の小説、三島由紀夫「夏子の冒険」をご紹介。 三島由紀夫といえばどんな作品を思いつくでしょうか。 同性愛の葛藤「仮面の告白」、鬱屈した少年の「金閣寺」なんかがおなじみですね。 主人公が孤独、異端であるがゆえの葛藤を描いた小説が多いで…

三毛別羆事件から100年。ヒグマについて考える

100年前のちょうど今ごろ、北海道の三毛別(さんけべつ )で日本史上最悪の獣害 「三毛別羆(ヒグマ)事件」が起こりました。 ヒグマが開拓地の村を連日にわたり襲撃し、7名もの村人を食い殺し、 3名が重傷を負った事件です。 これほどの犠牲者を出した獣…